焦点は緩和相場(株高)の継続

アナリストコメント-焦点は緩和相場(株高)の継続

チャート

ドラギ欧州中央銀行(ECB)の緩和強化歩調に合わせるように、中国人民銀行(PBOC)は23日、銀行の貸し出しと預金の基準金利を0.25%下げると同時に、預金準備率(市中銀行から強制的に預かる資金の比率)も0.5%下げることを決定した。これを受け、下火になりつつあったリスク選好ムードが盛り返し、先週後半は世界的な株高連鎖となった。10月初旬のリスク選好も先週後半のリスク選好も「金融緩和の継続期待」が土台となっているという面で共通している。

リスク選好への回帰ムードが強まる中、一点だけ気になるのは原油相場の動向だ。イエレンFRBの年内利上げに不透明感が強まっているタイミングで、ECBとPBOCが揃って緩和強化を鮮明にしたにもかかわらず、23日のNY原油先物相場は45ドル割れ。金融緩和がもたらす効果以上に中国経済の減速とドル高リスクが意識されたことを示唆している。金融緩和は基本的に株式市場にとってポジティブ要因。しかし、それによる副作用(特に今回はドル高リスク)と中国の利下げが昨年11月以降で6回目となる点を考えるならば効果の持続性に疑問符が付くことから、今後もグローバル株式市場は経済情勢と金融政策を巡り上下に振れる展開が継続しよう。その度に、外為市場でもドル、円そしてユーロの売り買いが交錯する展開となろう。よって、今週はの焦点は、世界的な株高がどこまで持続するか、この点にあろう。株高が持続するならば、外為市場ではドル高 / 円安&ユーロ安の展開が想定される。
逆にリスク選好回帰を阻む材料として注視すべきは、27-28日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。今回も利上げを見送る公算が高いが、海外リスクに対する警戒度が増しての利上げ見送りとなれば、リスク選好(株高)ではなく、9月のFOMCと同じくリスク回避圧力を強める要因となる可能性がある。その場合、外為市場ではドル安/円高&ユーロ高の展開となろう。

また、30日の日銀金融政策決定会合では、現行の政策を維持する可能性が高い。緩和強化に関するシグナルを何ら発信してこなければ、一時的に円高圧力を強める要因となろう。

本日の焦点-株高の継続と122円トライ

ECBとPBOCにより、筆者の10月円高ストーリーは完全に後退。USD/JPYは9月から続くレンジの上限(121.00)を完全に突破し、8月28日高値121.74レベルが視野に入っている。このまま122円台をトライするかどうかの鍵は、上述した株高の持続性にあろう。週明けの日経平均は序盤から1万9千円台へ上昇。FOMC前までは緩和マネー流入期待を背景に株高維持の公算が高いことから、122円トライはあり得るだろう。

株式動向以外で注視すべきは、本日から4日間の日程で開催される中国の第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)。具体的な目標数値に関しては来年3月の全国人民代表大会(全人代)で盛り込まれる公算が高いが、習近平指導部が初めて立案する5カ年計画の内容に対する「期待」が株式動向を左右する可能性がある。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.84:89日MA 121.74:8/28高値
サポート 121.00:サポートポイント 120.75:一目/雲の上限

9月から続いたレンジ(=119.00-121.00)を完全に上方ブレイクしたことで、次の焦点として122円トライが浮上。ただ、その前に8月28日高値121.74及び89日MA(赤ライン、今日現在121.84)を突破する必要がある。これらレジスタンスポイントで上値がレジストされた場合は、新たな上限を121.80前後とした新たなレンジ相場が形勢される可能性があるため要注意。
一方、下値は121円台の維持が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1150:レジスタンスポイント 1.1100:レジスタンスポイント
サポート 1.1000:心理的節目 1.0910:長期サポートライン

目先の攻防分岐は1.1。先週はローソク足の実体ベースでこのレベルをかろうじて維持。しかし、チャート的には完全に崩れており、さらなる下落を警戒したい。その場合、新たな攻防分岐として注視すべきは、今年最安値1.0463を起点とした長期サポートラインとなろう。今日現在1.0910前後で推移しているこのラインをも下抜ける展開となれば、5月以降相場をサポートしてきた1.08トライの可能性が高まろう。

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