グロース株(成長株)の注目銘柄6選
グロース株(成長株)には人工知能(AI)が共通テーマとしてあります。ここでは成長株6銘柄を紹介します。各銘柄は時価総額と取引量に基づき選定されています。
グロース株(成長株)とは
グロース株(成長株)とは、売上高、利益、キャッシュフローの伸びが市場の平均成長率を大幅に上回る企業の株式を指し、通常この成長は株価に反映されます。成長株を発行する企業は独自の製品を開発し、それぞれの分野で最先端にいる傾向があります。このような企業は、業界の構造を変えるような革新的な製品・サービス・技術を投入することで顧客を呼び寄せ、市場シェアを獲得することを得意としています。
「マグニフィセント・セブン」と「グラノーラス」について
成長株でよく知られているのが米国のテック企業です。アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラ、アルファベットを総称して「マグニフィセント・セブン」と呼び、近年、米国市場を独占することで大幅な株価上昇に大きく貢献しました。生成AIの隆盛は勢いを増しており、特にエヌビディアにとっては追い風となりました。
欧州にも似たような成長株の総称がありますが、米国よりも多様な企業が含まれています。金融大手のゴールドマン・サックスは、グラクソ・スミスクライン、ロシュ、ASML、ネスレ、ノバルティス、ノボノルディスク、ロレアル、LVMH、アストラゼネカ、SAP、サノフィを総称して、「グラノーラス」という名前をつけました。欧州で上場している企業の増収幅のほとんどは、これらの企業からきています。
成長株に対する投資家の期待は高く、会社が実際に達成できる成果を上回るリスクが常にあります。テスラの株価は2021年11月と比べて半分となっており、楽観視されていた当時との差を表しています。
注目のグロース株(成長株)銘柄6選
ここでは、時価総額順にマグニフィセント・セブンとグラノーラスから選んだ成長株を3銘柄ずつ紹介します。(株価とその推移は2024年2月28日時点のものを引用しており、過去の推移は将来の収益率を示すものではありません)
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アップル(AAPL.O)
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ASML(ASML.AS)
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LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH.PA)
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マイクロソフト(MSFT.O)
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ノボノルディスク(NOVOb.CO)
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エヌビディア(NVDA.O)
アップル(AAPL.O)
アップルは2023年に4四半期連続の減収を記録し、2001年のドットコムバブル崩壊以来最長となりました。
2024年2月に開かれた社内会議で、同社幹部は「タイタン」という名で知られる、10年以上開発が続けられていた「アップルカー」の開発プロジェクトを打ち切ると発表しました。同社は10億ドル以上をこのプロジェクトに費やしたとニューヨーク・タイムズ紙は報じています。
CEOであるティム・クック氏は、生成AIへの「多額の投資」をしていると発言し、今年中に計画を明らかにするとしています。
投資家たちのアップルへの信頼は厚く、過去12ヶ月間で株価は23%上昇しています。同社は2023年12月末までの3ヶ月間の売上高は、前年同期比2%増の1196億円だったとしています。
ASML(ASML.AS)
ASMLは、半導体製造の中核となる部分で存在感を示しているオランダ企業です。同社は、シリコンなどの半導体ウエハーの感光層に露光することで回路を形成するリソグラフィ装置を製造しています。
世界の半導体業界における同社の重要性は長い間認識されていましたが、生成AIブームによってさらに後押しされています。チャットGPTのようなAIプログラムを作成するには何万ものエヌビディアチップが必要とされるうえ、チップ自体もより大きく、より複雑になっています。
同社の業績はこれらを好材料としており、2023年には276億ユーロの売上高に対し、78億ユーロの純利益を計上しました。
LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH.PA)
LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは「超高級品」市場をリードしており、ワインやスピリッツ、ファッション、革製品、香水、コスメ、腕時計、ジュエリーなどで、75の著名ブランドを抱えています。近年ではフランスの新聞2紙、雑誌社、ラジオ局、高級小売店やラグジュアリー旅行ビジネスも買収しました。また、世界有数のショッピング街であるパリのシャンゼリゼ通りに、3つの不動産を保有しています。
昨年の売上高は前年同期比13%増の862億ユーロで、純利益は8%増の228億ユーロでした。同社の株価は今年に入ってから17%上昇しています。
マイクロソフト(MSFT.O)
マイクロソフトの時価総額は1月に3兆ドルを超え、アップルを抜いて世界で最も価値のある上場企業となりました。同社は生成AIにおいてリードしていると見られており、投資マネーを呼び込んでいます。
また、チャットGPTを開発したオープンAIに数十億ドルを投資しており、2023年にはAIシステムの宣伝に多くの費用と時間を費やしました。同社CEO兼会長のサティア・ナデラ氏は、「私達はAIについて語る段階から、AIを幅広く活用する段階に移った」としています。
2023年12月末までの3ヶ月間の売上高は、前年同期比18%増の620億ドルで、投資家の期待を上回りました。純利益は同30%増の218.7億ドルでした。
ノボノルディスク(NOVOb.CO)
ノボノルディスクは、2型糖尿病や肥満症治療に使われる先発薬である「オゼンピック」や「ウゴービ」の成功を受け、一時期LVMHを超えて欧州で最も価値のある企業となりました。全世界で肥満やそれに伴う糖尿病が広まったことで、それらの治療薬の需要が高まっています。
同社の売上高はこの5年間で倍以上となっており、2023年の純利益は前年同期比51%増の836.8億デンマーク・クローネでした。同社株の株価はこの12ヶ月で65%上昇しています。
エヌビディア(NVDA.O)
エヌビディアは、生成AIブームの一番の勝者とも言えます。2023年1月以降、同社の株価は400%以上上昇しており、今ではマイクロソフトとアップルに次いで米国で3番目に価値のある企業となっています。これは投資家の気まぐれではなく、業績に基づいた結果だと言えます。
2024年1月28日を期末とする同社の通期売上は前年同期比126%高の609.22億ドルで、純利益は286%増の323.12億ドルでした。同社はAI用チップ市場の95%を握っており、今後もこの好業績は続くと見られています。
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