米国株の注目銘柄5選【2024年最新】
世界最大の経済大国である米国には、株取引のチャンスが豊富にあります。3月に注目の米国株5銘柄を紹介します。取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。
米国経済の背景
加速するインフレや新型コロナウイルス感染症、世界経済危機や自然災害など、米国は過去数十年間で様々な課題に直面してきました。
特に、この2年間に同国の経済力は少し弱まったものの、世界最大の経済大国であることに変わりはなく、名目GDPは27兆9700億ドル、一人当たりのGDPは83,060ドルとなっています。米国は19世紀後半から世界最大の経済大国であり、第二次世界大戦後にさらに隆盛を見せました。
2023年第3四半期の成長は年率4.9%で、2021年第4四半期以来の伸び率となりました。国際通貨基金(IMF)は、2024年の実質GDP成長率を1.5%と見積もっています。2008年の金融危機以来、米国の債務残高の対GDP比は大幅に上昇しており、現在では123%となっています。
米国の経済を牽引しているのはサービス業で、これにはヘルスケア、テクノロジー、小売などが含まれます。サービス業はGDPのおよそ80%を占めており、残りは工業と農業となっています。
FRBの金利政策と米国株の今後の見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年3月に長期金利の引き上げを開始し、2023年12月の会合では目標とするフェデラル・ファンド金利を、22年ぶりの高水準となる5.25~5.5%に維持することを決定しました。
長期金利の利上げはインフレ率上昇を大幅に減速させています。12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.4%上昇し、食品やエネルギーの価格など変動が激しい品目を除いたコアCPIは3.9%高となりました。
グロース企業、特にビックテックはFRBの長期金利政策や景気後退への懸念をよそに、2023年前半は好調な業績を収めました。株価は9月と10月に多少後退した後高値で年を締めくくっており、トレーダーはFRBが2024年に長期金利を引き下げ始める可能性を探っています。
米国株の注目銘柄5選
ここでは、3月に注目の米国株を5つ紹介します。(価格と株価推移は2024年2月23日時点の引用で、取り上げる銘柄は、時価総額に基づいて選ばれています。また、過去の値動きは、将来の株価動向を示すものではありません。)
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エヌビディア(NVDA)
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フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)
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バイキング・セラピューティクス(VKTX)
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インテュイティブサージカル(ISRG)
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セールスフォース(CRM)
エヌビディア(NVDA)
AIコンピューティングを手がけるエヌビディアは、グラフィックスとコンピュート・アンド・ネットワーキング事業を全世界で展開しています。グラフィックス分野には、ゲームやPC向けグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の「GeForce」、ゲームストリーミングサービスの「GeForce NOW」が含まれます。コンピュート・アンド・ネットワーキング事業では、データセンター・プラットフォームやAI向けシステムを展開しています。
同社のAIソリューションには、生成型人工知能(ジェネレーティブAI)、データ分析、推論、スピーチAI、サイバーセキュリティが含まれます。AIプラットフォームでは、コンピューティング、ソフトウェア、AIモデルおよびサービスにおいて、多分野にわたるイノベーションを提供しています。
同社が2月21日に発表した2024年第4四半期と通期の決算は、今回の決算シーズンで最も注目を浴びました。決算は期待に応える内容で、同四半期の売上は過去最高となる前年同期比265%増の221億ドルでした。通期の売上も過去最高を更新し、前年比126%増の609億ドルとなりました。同社創業者兼CEOであるジェン・スン・フアン氏は、「高速コンピューティングと生成AIは転換期を迎えていて、企業、産業、国を問わず、全世界で需要が急増している」と発言しました。
同社の株価は決算発表後に過去最高値まで急伸し、23日には788.17ドルで大引けとなりました。株価は年初来で59.2%上昇しています。
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズは業者、銀行、市場企業向けに金融テクノロジー・ソリューションを提供する、世界有数のプロバイダーです。同社は世界50カ国以上で55,000人以上の従業員を擁しており、450以上のソリューションを提供するほか、全世界で750億ドル以上の取引を処理しています。
同社は最近、決済処理サービス「ワールドペイ」事業の価値を185億ドルと評価し、株式の過半数をプライベート・エクイティ・ファンドに売却しました。売却によって同社は業務を簡素化し、ソリューション群のイノベーション加速を狙っています。
同社は2023年第4半期の決算を26日に発表し、株価は年初来7%上昇しています。
バイキング・セラピューティクス(VKTX)
バイキング・セラピューティクスは代謝や内分泌疾患治療のための新薬を臨床段階で開発している、バイオ医薬品会社です。同社のパイプラインには、臨床段階にあるものが3つあり、中でも特に期待が高まっているのは「VK2809」と呼ばれる脂質および代謝異常の治療薬です。同薬は、生体組織診断で確認された、非アルコール性脂肪性肝炎と線維症に対する新たな経口低分子甲状腺ホルモン受容体ベータ作動薬として、現在フェーズ2b試験で評価されています。
同社の株価は、同社の肥満症治療薬への期待に煽られ、年初来で101%上昇しています。同社は早ければ2024年第1四半期にも、肥満症治療を目的としたGLP-1/GIP受容体作動薬である「VK2735」の中期臨床試験の結果が出るとしています。
インテュイティブサージカル(ISRG)
インテュイティブサージカルは、「ダビンチ」サージカルシステムなど、ロボットに支えられた低侵襲治療を促進する製品の開発・製造を行っています。ダビンチサージカルシステムは世界70カ国に展開されており、2022年には1200万件以上の治療が行われました。同社はまた、低侵襲で肺の生体組織診断を行うための気管支鏡用手術ロボット「Ion」も提供しています。
同社の2023年第4四半期の売上は19.3億ドルで、前年同期比で17%増でした。これはダビンチの症例が増えたことや、システム導入が進んだことによります。
同社の株価は年初来で15.5%上昇しています。
セールスフォース(CRM)
セールスフォースはクラウド型のソフトウェア会社で、顧客情報管理(CRM)技術を全世界の企業に提供しています。「Salesforce Customer 360」では、様々な製品をまとめることで、セールス、サービス、マーケティング、コマース、ITの全部署が同じ顧客情報を一元管理できるようにします。AIは同社の製品群すべてに組み込まれており、IBM、Sonos(ソノス)、ペイパルなど15万社以上が同社製品を利用しています。
2023年度の同社の売上高は314億ドルで、前年同期比18%増でした。株価は2023年に98.5%上昇し、年初来では11.3%上昇しています。
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