【ユーロドル】注目は1.06の攻防 / 反発の局面では10日線と1.07のトライが焦点に

サマリー

・今週のユーロドルは、引き続き下値のトライを意識する状況にある
・目先の焦点は、サポート水準として意識されている1.06の維持となろう
・1.06の下方ブレイクは、ユーロドルの下落幅が拡大するシグナルと想定しておきたい
・一方、ユーロドルの反発局面では、10日線と1.07レベルの攻防に注目したい

焦点は1.06の攻防

今週のユーロドル（EUR/USD）も下値のトライを意識する状況が続くと予想する。

目先の下値の焦点は、サポートの水準として意識されている1.06のトライおよびブレイクアウトとなろう。

今週、ユーロドルが1.06レベルをトライするきっかけとなり得るのが、こちらのIG為替レポートで取り上げたアメリカの経済指標となろう。

「景気の強さとインフレ圧力の根強さを示す米経済指標→米連邦準備制度理事会（FRB）による利下げ期待のさらなる後退→米ドル高の進行」を受け、ユーロドルが1.06レベルを下方ブレイクする場合は、下落幅が拡大するシグナルと想定しておきたい。

このケースでは、IG為替レポートで何度か取り上げた1.0520レベルおよび1.05のトライを想定しておきたい。

ユーロドルが1.05レベルをもあっさりと下方ブレイクする場合は、23年10月の安値1.04ミドルのトライが焦点として浮上しよう。

ユーロドルのチャート：日足 23年10月以降

ユーロドル（EUR/USD）のリスクリバーサルを確認すると、1週間と1カ月のそれらではユーロプットの傾きがひとまず一服する状況にある。一方、予想変動率（1週間と1カ月）の上昇も同じく一服のムードにある（いずれも下のチャートを参照）。

この状況で今週の米経済指標が米ドル売りの要因となれば、ユーロドルは上で述べた重要サポート水準の1.06レベルを維持する可能性がある。

ユーロドルが1.06レベルで二度下値がサポートされる場合は、下で述べるレジタンスポイントのトライを想定しておきたい。

ユーロドルとリスクリバーサルのチャート：日足 23年10月以降

反発の局面では10日線と1.07の攻防に注目

一方、今週のアメリカ経済指標が米ドル安の要因となる場合、ユーロドル（EUR/USD）は反発の展開が予想される。

このケースでは、10日線の突破が最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、1.0680台まで低下している（上のチャートを参照）。

ユーロドルが10日線の突破に成功する場合は、1.07レベルの攻防に注目したい（上または下のチャート、赤ラインを参照）。この水準は、サポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性がある。実際に1.07レベルで相場の反発が止められる場合は、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

なお、1.07レベルは直近高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2％の水準にあたる（下のチャートを参照）。テクニカルの面でも1.07レベルは相場の反発を止める可能性がある。

ユーロドルが1.07台の攻防へシフトしても、今日現在1.0750台で推移している21日線で相場の反発が止められる展開を想定しておきたい（上の日足チャートを参照）。

直近高安の半値戻しの水準1.0733レベルの上方ブレイクは、21日線をトライするシグナルと想定しておきたい（下のチャートを参照）。

分足や時間足のストキャスティクスとRSIで相場の状況を確認し、反落と反発のタイミングを判断したい。特に上で述べた1.06レベルをユーロドルがトライする局面で、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準でゴールデンクロスの状況にある場合は、反発相場を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート：45分足 4月10日以降