今日以降の外為市場は米経済指標が焦点に
今日以降の外為市場は米経済指標が焦点となろう。今晩は11月生産者物価指数(PPI)と12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)で米ドル相場が上下に振れる展開が予想される。ドル円とユーロドルの見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
今日以降の外為市場は米経済指標が焦点に
【サマリー】
・8日の外為市場はリスク選好で米ドル安優勢の展開となった
・今日以降の外為市場は米国の経済指標が焦点となろう
・今日は11月米PPIと12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が焦点に
・ドル円およびユーロドルの見通しとチャートポイントについて
焦点は再び米経済指標へ
8日の外為市場は、米ドル売り優勢の展開となった。この日の米国株式市場では、相場全体を押し上げる特段の材料はなかったものの買戻し優勢で推移し、主要指数は上昇して引けた。米金利は小幅に上昇するもその幅は限定的だった。
外為市場では、リスク選好相場を意識した米ドル売り優勢の展開となった。対豪ドルで最も下落した状況は、昨日の外為市場でリスク選好相場が意識されたことを示唆している。
米ドル相場のパフォーマンス:12月8日
米経済指標と外為市場の展望
今週のレポートで指摘しているとおり、今日以降の米ドル相場のトレンドは経済指標の内容に左右される可能性が高い。
本日は、11月生産者物価指数(PPI)と12月ミシガン消費者信頼感指数(速報値)の内容で米金利が上下に振れる展開が予想される。
これら経済指標でさえない内容が確認される場合は、インフレのリスクと米金融引き締めの長期化に対する懸念が後退することで、米金利には低下の圧力が高まることが予想される。
今年の米国株は、金利の動きによってトレンドが左右されている。よって、「さえない経済指標→米金利の低下」は、米株高の要因となろう。
米金利の低下と米株高が同時に発生する状況下では、外為市場で米ドル安の圧力が最も高まりやすい。よって、昨日のように対豪ドルで下落幅が拡大することが予想される(豪ドルは株式市場と高い相関関係にあるため)。
また、米ドル安にサポートされているユーロやポンドも上値トライが予想される(対米ドル)。対照的にドル円(USDJPY)は、「米金利の低下→米ドル安」により下値トライを想定しておきたい。
一方、総じて強い米経済指標の内容が確認される場合は、真逆の展開-「強い米経済指標→インフレリスクと金融引き締めの長期化が意識され米金利が上昇→米国株が下落→米ドル高」の展開が予想される。
このケースでは豪ドル、NZドル、ユーロそしてポインドは対米ドルで下落することが予想される。一方、ドル円は「米金利の上昇→米ドル高」にサポートされ、上値トライの展開を想定しておきたい。
米経済指標と外為市場の展望
ドル円とユーロドルの焦点およびチャートポイント
ドル円(USDJPY)
ドル円(USDJPY)は、136円台を中心としたレンジ相場が続いている。MACDでは反転のシグナルが点灯しつつある。だが、モメンタム(12日間)と同じくゼロラインを下回る状況にあり、ドル円の地合いの弱さを示唆している。
ドル円の新たなトレンドを発生させるカタリストは、上で述べた米経済指標である。強い経済指標の内容が確認される場合は、ドル円の上値トライを想定しておきたい。
レジスタンスラインとして意識されている10日線(MA/136.93レベル)の突破は、138.00レベルをトライするシグナルとなろう。
138.00レベルは、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたるため、テクニカルの面で地合いの弱いドル円の反発を止める可能性がある。また、このレベルがサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?という観点でも、138.00レベルの攻防は重要である。
ドル円が138円台へ上昇する場合は、138.50レベルで推移している21日線(MA)のトライおよびブレイクが次の焦点となろう。
ドル円のチャート
一方、総じて弱い米経済指標が確認される場合は、ドル円の下値トライを想定しておきたい。このケースでは8日のレポートで指摘したフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準136.24レベルの下方ブレイクと136.00のトライを想定しておきたい。
ドル円が135円台の攻防へシフトする場合は、直近高安の半値戻し135.74レベルおよび61.8%戻しの水準135.24レベルのトライが焦点となろう。
これらのチャートポイントをもことごとく下方ブレイクする場合は、135円台の維持が焦点として浮上しよう。
ドル円のチャート
ユーロドル(EURUSD)
ユーロドル(EURUSD)は、米ドル安にサポートされ上昇トレンドが続いている。米ドル安がトレンドの軸である以上、目先はドル円と同じく米経済指標で上下に振れる展開が予想される。
テクニカルの面でもユーロドルの地合いの強さがうかがえる。直近の動向を日足チャートで確認すると、1.0450レベルがレジスタンスからサポートへ転換するムードにある。モメンタム(12日間)はゼロラインの上で推移し、かつ緩やかな上昇基調にある。
また、今月7日に10日線(MA/1.0472レベル)でサポートされた状況も考えるならば、ユーロドルの焦点はレジスタンスポイントの1.06トライおよびブレイクとなろう。そのきっかけとなるのが、上で述べた「弱い米経済指標」である。
一方、今日以降の米経済指標で強い内容が確認される場合は、米ドルの買戻し圧力が高まることが予想される。このケースでは10日線および1.0450ブレイクが予想される。先月10日に相場をサポートした21日線(EMA/1.0380レベル)をも下方ブレイクする場合は、1.02台を視野にユーロドルの下落幅が拡大するシグナルとして警戒したい。
ユーロドルのチャート
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