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日経平均に拭えぬ不安 円高警戒で伸び悩み S&P500は7週連騰

日経平均は3週ぶりに反発したが、直前2週の下落分の半値戻しどまり。重荷となった円高は日銀の動きで加速する可能性もある。

出所:ブルームバーグ

日経平均株価に円高の不安がのしかかっている。日経平均の15日の終値は1週間前比で662.69円高。3週ぶりの反発だが、直前の2週での下落幅の半値戻しに留まった。13日に米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを示唆したことが円高進行への警戒を強め、重荷となっている。一方、FRBによる利下げ示唆はアメリカ株式市場では好材料となり、S&P500は約6年1か月ぶりの7週連騰を記録した。ただ、FRB幹部からは過剰な利下げ観測を牽制する発言も出ており、米国株の先行きが晴れわたっているわけではない。また、19日には日本銀行が金融政策の方向性を修正する可能性も取り沙汰されており、日経平均の先行きを左右しそうだ。

日経平均は週次で662円の上昇

日経平均(N225)の15日の終値は3万2970.55円。週次の値上がり幅は、前週と前々週の合計での値下がり幅(1317.67円)と比べると約半分に留まる結果だった。ドル円相場では、14日に約4か月半ぶりの1ドル=140円台をつけるなど、円高ドル安が急進しており、輸出企業の採算悪化の可能性が懸念材料となっている。13日にFRBが2024年に利下げに転じる方向性を示したことの影響だ。

日経平均と週次騰落幅の推移のグラフ

一方、米国の株式市場ではS&P500(SPX)の15日の終値が1週間前比2.49%高にあたる4719.19となった。7週連続の値上がりは2017年9月中旬から11月初めにかけての8週連騰以来の記録だ。FRBの利下げの可能性の高まりが米国の長期金利(10年物米国債利回り)を低下させ、株式市場を活気づかせている。15日のニューヨーク債券市場の長期金利の終値は3.928%で、2日連続で7月末以来の4%割れとなった。

日経平均とS&P500の週次騰落率の推移のグラフ

アメリカでのS&P500の上昇には冷や水も

ただ、FRB幹部は利下げへの過剰な期待に警鐘を鳴らしている。ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁は15日、米CNBCテレビに出演し、「今現在、利下げについて協議しているわけではない」と発言。目の前にある問題は「金融政策は物価上昇率を2%に確実に戻すのに十分な引き締め度合いとなっているか?」だと強調した。FRBのジェローム・パウエル議長は13日の記者会見で、「金融引き締めの程度をいつ戻し始めるのが適切か」について「今日の会合で議論された」と述べていた。

こうしたFRBの軌道修正は米国株に冷や水を浴びせた。SP500の15日の終値は前日比でみれば0.001%安。ほぼ横ばいとはいえ、7営業日ぶりの反落となった。2022年1月3日につけた史上最高値(4796.56)が迫っていることもあり、18日以降の上昇ペースが落ちることも考えられそうだ。米国株にブレーキがかかれば、日経平均の足を引っ張る可能性がある。

また、日経平均の先行きをめぐっては18、19日に開かれる日銀の金融政策決定会合でどのようなメッセージが出るかも焦点だ。日銀の植田和男総裁の7日の「チャレンジング」発言は早期のマイナス金利解除を示唆する内容だと受け止められ、円高ドル安急進の材料のひとつとなった。19日に予定される決定会合の結果発表や植田氏の記者会見でマイナス金利解除の見通しが強まることになれば、円高ドル安がさらに進み、日経平均にとっての逆風となることも想定されそうだ。


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