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アマゾン、クラウド成長加速見通し 30日決算 株価浮上へ収益も焦点

アマゾンが30日に発表する2024年1-3月期決算はクラウドの成長が加速する見通し。前回同様に株価上昇につながる可能性がある。

アマゾン、クラウド成長加速見通し 30日決算 株価浮上へ収益も焦点 出所:ゲッティ

アマゾン・コムが30日の取引時間終了後に発表する2024年1-3月期決算はクラウド事業の成長が加速すると予想されている。クラウド事業は人工知能(AI)サービスの提供基盤としての役割を果たしており、予想通りになれば、アマゾン全体の中長期的な成長の見通しが明るくなりそうだ。また、決算発表ではコスト削減による収益性の回復にも注目が集まる可能性がある。アマゾンは前回の10-12月期決算を株価上昇につなげただけに、今回の決算で再び株価が浮上する筋書きも考えられる。

アマゾンの1-3月期決算は増収増益の見通し

アマゾンはアメリカ東部時間30日午後5時30分(日本時間5月1日午前6時30分)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、アマゾンの1-3月期決算は、総収入が前年同期比11.9%増の1425.22億ドル、1株当たり利益(EPS)は2.7倍の0.83ドルになると予想されている。アマゾンは過去16回の四半期決算のうち、4回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では5回、市場予想をクリアできなかった。

アマゾンの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

アマゾンの株価(AMZN)は2022年に49.62%下落した後、2023年は80.88%上昇した。22日の終値は177.23ドルで、2023年末比での伸び率は16.64%だ。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク株7銘柄の中では、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)とSNS大手のメタ・プラットフォームズ(META)に次ぐ上昇率となっている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は19日の終値時点で、38.63倍。10-12月期決算発表前の1月下旬の水準(42倍程度)からは割高感が薄れている。ただ、クラウド事業で競合するマイクロソフト(MSFT)の30.53倍や、アルファベット(GOOGL)の21.47倍よりは割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は211.56ドルで、足元の株価よりも19%ほど高い。4月に入ってからは目標株価を230ドル台に上げる動きも出ている。61人のアナリストのうち、19人は強い買い、40人は買いを推奨。2人は維持を勧めている。

アマゾンのクラウド事業の成長性が株価上昇の背景

アマゾンの株価が比較的堅調に推移してきた背景には、クラウド事業の成長が続くとの見通しが崩れていない点がある。LSEGによると、1-3月期のクラウド事業の収入は前年同期比14.8%増となり、10-12月期の13.2%増から成長が加速する見通しだ。また、アマゾンの業績は収益性が落ち込んだ2022年からの回復途上という側面があり、インターネット通販における配送網の効率化などコスト削減による収益性の改善が続くとの期待もある。このため、1-3月期決算ではネット通販を主な収益源とする北米事業や国際事業の収益性にも注目が集まりそうだ。

アマゾンのクラウド事業の収入の推移のグラフ

こうした中、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは11日付で公開した株主あての書簡の中で、クラウド事業を起点とするAIサービスが、中長期的にアマゾンの事業全体に関わっていく点を強調。低コストと高性能の両立を目指した自社製半導体の将来性に自信を示し、AI開発支援やAIサービスの展開にも意欲をみせた。また、今後の展望として「コスト削減の取り組みは終わっていない」とも強調。2024年は商品の仕入れと在庫管理の効率化に重点を置く考えを示している。

アマゾンの株価は前回10-12月期決算が好感され、発表翌日の2月2日の株価は7.87%高となった。株価はジャシー氏の書簡が公開された4月11日には189.05ドルの上場来高値をつけたが、その後は米国の長期金利(10年物米国債利回り)上昇などを背景にした株式市場の全体の下落とともに値を下げている。30日の1-3月期決算でアマゾンの成長への期待を取り戻せるかどうかが注目される。


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