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FOMC(米連邦公開市場委員会)

FOMCの開催時期やトレーダーにとって重要な理由など、FOMCについて知っておくべきことをまとめてご紹介します。

FOMC(米連邦公開市場委員会)

FOMCの開催時期やトレーダーにとって重要な理由など、FOMCについて知っておくべきことをまとめてご紹介します。

FOMC(米連邦公開市場委員会)とは

FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する定例会合のことです。

FOMCは年に8回開催され、現在の景気動向、今後の経済見通しそして政策金利(FF金利)の方針が発表されます。

FOMCのメンバーは7人の理事、ニューヨーク地区連銀総裁そしてNY以外の11地区連銀のうち4人の総裁の合計12人で構成されています。

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FOMCの開催予定日

FOMCは通常年8回開催されますが、必要に応じて追加で開催されることもあります。
金融政策に変更がある場合は直ちに発表されますが、会合そのものは常に非公開で行われます。
通常、各会合の3週間後にFOMCメンバーの詳細な議論が記録された「FOMC議事要旨」が公表されます。

2024年のFOMC 開催予定*

FOMC開催日程
1月30日~1月31日
3月19日~20日
4月30日~5月1日
6月11日~12日
7月30~31日
9月17日~18日
11月6日~11月7日
12月17日~18日

* 日程は、2024年3月現在のものです。

FOMCがマーケットに与える影響とは

FOMCでは政策金利の方向性が決定されます。このため、投資家やトレーダーにとって常にチェックしておくべき重要な経済イベントの一つです。

FOMCは3つの政策手段を用いて、米国の政策金利を引き上げたり引き下げたりすることができます。

米国の政策金利が変動する場合、為替(FX)レート、株価そして債券の利回りに大きな影響を与えます。

FOMCの影響を受けやすいマーケット

FOMCの動向は世界中のマーケットに影響を与えます。ここでは、FOMCの動向に影響を受ける代表的な市場をご紹介します。

  • 外国為替市場(FX):FOMCで債券の利回りが上下に振れる場合、世界で最も取引されている通貨「米ドル」も上下に振れます
  • 株価指数: FOMCで政策金利が引き上げられる場合は株価指数の下落要因となります。一方、政策金利が引き下げられる場合は株価指数の上昇要因となります。米金利の動向はハイテク株の比率が高いナスダック100指数や高PERのハイテク株(アップル)に大きな影響を与えます。
  • 債券: 米債市場はFOMCで最も影響を受けやすい市場です。金融政策の方向性を受けて米債利回りが上下に大きく振れることがあります
  • コモディティ(商品): FOMCで政策金利が引き上げられる場合は金価格の下落要因となります。一方、政策金利が引き下げさられる場合は金価格の上昇要因となります

このとおりFOMCの動向は世界中のマーケットに大きな影響を与えます。
よって、世界中のトレーダーや投資家はFOMCごとに次の金融政策の方向性を予測し、それに応じて戦略やポートフォリオを調整しようとします。

FOMCの動向に影響されやすい銘柄/レート

FFレートとは

FFレートとは、フェデラル・ファンド(Federal Funds)レートの略です。FF金利とも呼ばれます。

FFレートは、連邦準備銀行(米国の中央銀行)に預け入れる無利息の準備金(フェデラル・ファンド)が不足している銀行が、他銀行から無担保で資金を借りるときに適用される金利のことです。

FFレートはFRBが行う金融政策の誘導目標金利となっており、米国の政策金利として機能しています。

FFレートの変動の影響は短期債と長期債の金利、為替レートや株価といったマーケットにとどまらず、失業率やインフレ率など経済にも大きな影響を与えます。また、その影響は米国内だけでなく世界の経済全体に影響を及ぼします。

3つの金融政策

FOMCは主に3つの金融政策を用いて雇用と物価の安定を図ります。その3つの金融政策とは通貨(米ドル)の供給量を調節する量的緩和/引き締め政策、FFレートの操作(利上げ/利下げ)そして預金準備率の操作です。一番最初の金融政策を「公開市場操作」と言います。

昨今のFOMCは、FFレートの操作と公開市場操作の両方を用いて、雇用と物価の安定を図ろうとする傾向にあります。

公開市場操作とは

公開市場操作とは、公開市場で国債や手形などを売買することを意味します。

FOMCが通貨(米ドル)の供給量を減らしたいときは国債を売り、市場から資金を吸収します。これを「量的引き締め」といいます。

一方、通貨の供給量を増やしたいときには国債を買い入れ、市場に資金を供給します。これを「量的緩和」といいます。

FFレートとは

連邦準備制度(FRS)に加盟している銀行は、預金残高の一定割合を連邦準備銀行に預け入れることが義務付けられています。FFレートは、この資金が不足している時に加盟する銀行間で短期の資金をやりとりする市場で成立する金利のことです。

FRBは景気の動向に応じてFFレートを操作(利上げ/利上げを)して、雇用と物価の安定を図ろうとします。

預金準備率とは

預金準備率とは、民間の金融機関が連邦準備銀行に預け入れる準備預金の割合のことです。

預金準備率を操作することにより、マネーの供給量(マネーサプライ)を調整することができます。FRBがマネーサプライの増加を目的とする場合は預金準備率を引き下げます。逆に、FRBがマネーサプライの減少を目的とする場合は預金準備率を引き上げます。

FRBの量的緩和

量的緩和(QE)とは、連邦準備制度理事会(FRB)が公開市場操作で国債や手形を買い入れる代わりに、資金(米ドル)を市場に供給する金融緩和政策のことです。深刻な景気後退の局面でFRBが採用する景気刺激策のひとつです。

量的緩和政策の買い入れ対象となる資産は短期から長期までの国債の他、不動産担保証券(MBS)や手形など多岐に渡ります。

2008年に発生した世界金融危機を受けて、FRBは一連の量的緩和プログラム(通称QE1, QE2, QE3)を実施し、米国市場に何兆ドルもの資金を注ぎ込みました。しかし、量的緩和が米国経済の回復にどれだけ役立ったかは不明とされています。

FOMCのキーパーソン

FOMCは、最大7人の連邦準備制度理事会(FRB)の理事会メンバーと、12の地区連邦準備銀行(地区連銀)のうち5人の地区連銀の総裁で構成されています。

7人の理事会メンバーはすべて米国大統領によって任命され、理事会の議長はFOMCの議長を務めます。

各地区連銀総裁の枠は、FOMCの副議長も務めるニューヨーク地区連銀総裁と他の地区連銀総裁の4人で構成されています。なお、4名の地区連銀総裁は輪番制により1年ごとに交代します。

市場関係者はFOMCメンバーをタカ派とハト派に分類することがあります。

2023年 FOMCのメンバー

Member Title
Jerome H. Powell 議長, 連邦準備理事会メンバー
John C. Williams 副議長, 連邦準備理事会メンバー (ニューヨーク連銀総裁)
Michael S. Barr 連邦準備理事会メンバー
Michelle W. Bowman 連邦準備理事会メンバー
Lisa D. Cook 連邦準備理事会メンバー
Austan D. Goolsbee シカゴ連銀総裁
Patrick Harker フィラデルフィア連銀総裁
Philip N. Jefferson 連邦準備理事会メンバー
Neel Kashkari ミネアポリス連銀総裁
Lorie K. Logan ダラス連銀総裁
Christopher J. Waller 連邦準備理事会メンバー

出典: The Fed, Federal Open Market Committee より(2023年8月9日閲覧時点)

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