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ファンダメンタル分析

レッスン 1 / 8

ファンダメンタル分析とは何か?

ファンダメンタル分析は、どの資産にも真の公正価値があるという概念に基づいています。しかし、投資家がこうした資産の公正価値に影響を及ぼす新しい要因をまだ考慮していない時点では、市場は資産の真の価値を必ずしも反映していない可能性があります。この結果、資産の価格は本来あるべき金額より高い水準又は低い水準にあることになります。

ある資産が本来の価値とは乖離した価格で取引されている時点を特定できるならば、利益獲得の機会を得ることができるでしょう。

なぜなら、ファンダメンタル分析に基づくと、こうした状況では、価格は資産の真の公正価値に収束するように一定期間に渡り自然と「調整」されると考えられているからです。したがって、ファンダメンタル分析では、現状、割安又は割高になっている資産を見つけ、価値が調整される時に想定される変動を利用するして取引を行うことを目指します。

この仕組みを説明するために、人気のない荒廃した地域に建っているものの、家自体は魅力的、という物件が売り出されているケースを考えてみましょう。リサーチをした結果、近いうちに当該地域に対して大規模な再生計画が実施される予定があることがわかりました。その場合、その家を現在の割安な価格で購入しておけば、買い手がその価値に気付きはじめ、価格が上昇するにつれ、利益を享受できる可能性があります。

ファンダメンタル分析を用いるアナリストは、同様のことを潜在的な可能性を秘めた金融資産、特に株式を購入することで行うことがあります。本コースでも株式を主に取り上げていきます。

テクニカル分析とどう違うか?

テクニカル分析もファンダメンタル分析も、現在入手できる情報を使って将来的に銘柄がどのように動く可能性があるかを予想しますが、それぞれ異なった方法で予想を行います。

テクニカル分析の場合、価格データ及び変動だけに注目し、銘柄が将来動く可能性が高い方向を示唆するトレンドやパターンを見つけようとします。一方でファンダメンタル分析の場合、もっと総合的に、以下のような観点から、銘柄を取り巻くすべての状況を考慮します。

  • 国全体の経済
  • 当該経済を構成する業界
  • 当該業界を構成する個々の会社

こうした評価では、一国全体の就業率や鉱工業生産指数から、個々の会社のキャッシュフローや投資まで、あらゆる種類の要因が考慮されます。ファンダメンタル分析は、単に価格データやチャートパターンだけでなく、資産の価値に影響を及ぼすすべてのことを分析して考慮するため、テクニカル分析よりも徹底的かつ包括的な分析方法だとよく言われます。いずれの分析方法の方が他方よりも優れているなどという議論を聞くことがあるかもしれませんが、銘柄動向をできる限り完全かつ正確に予測したいのであれば、通常は、テクニカル分析とファンダメンタル分析の両方の要素を合わせて使うことが賢明です。

まとめ

  • ファンダメンタル分析は、どの資産にも真の公正価値があり、価格はその公正価値に向けて収束するという概念に基づいています。
  • ファンダメンタル分析では、現状、割安又は割高になっている資産を見つけ、今後想定される変動を利用して取引を行うことを目指します。
  • テクニカル分析とは異なり、ファンダメンタル分析は、総合的な視野で銘柄を取り巻くすべての状況を考慮します。
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