米国マンスリー2018年12月号

アップル、アマゾンが命運握る年末相場!

bg_amazon_prime_jeff_bezos_trucks

ネット関連中心に反転上昇なるか

年々早まる年末商戦。良好な消費者マインドを背景に、オンライン販売は極めて好調な滑り出しとなった。サンクスギビングデーを含む週末を挟んで、例年株式市場は年末高が強まる傾向にあり、今年も期待が高まる状況だ。

ただ、10月以降、FANG、GAFAなどネット関連の主力企業の株価は、フリーフォールの如く大幅下落となった。年初来良好な株価パフォーマンスを示していたが、米中貿易戦争と中国事業を巡る不安、景気先行き懸念と追加利上げの影響などから利益確定売りが強まった。ただ、足元で下げ止まりの兆しが見られ、巻き戻しから年末相場の牽引役となる可能性もあろう。(庵原)

【好調な滑り出しのオンライン販売によるクリスマス商戦~年末高に期待!】

phillip_fig_MonthlyDec18_01

世界経済に減速リスク

11/21にOECDが発表した世界経済見通しでは、世界の実質GDP成長率の見通しを下方修正。2019年は前回5月の予想から0.4%引き下げ3.5%とした。貿易摩擦や、原油価格上昇による新興国のインフレなどをリスク要因として挙げた。世界貿易は既に減速し始めており、貿易金額の伸び率は2017年の5.2%から2018年以降は3%台に落ち込むと予想する。需給ギャップも2018、2019年ともにマイナスに修正した。

米国経済については、労働市場の逼迫により消費の堅調な伸びを予想。ただ、2020年には財政刺激策の効果が剥落するほか、世界経済の減速や貿易摩擦が重石となると指摘。(増渕)

【OECDは世界経済見通しを下方修正~米経済は2020年に頭打ち!?】

phillip_fig_MonthlyDec18_02

大幅下落した原油価格だが

WTI原油は10/29-11/13まで過去最長の12営業日続落。また、11/23には前日比7.7%安の50.42ドル/バレルと大幅反落し年初来安値を更新。超過供給を巡る懸念や、サウジアラビアの減産方針に対するトランプ大統領の牽制などが手掛かり。OPECは11/13、世界経済の不確実性を理由に2019年の世界の原油需要見通しを下方修正した。

ただ、11/11の減産監視委員会では、12/6のOPEC総会で協調減産の期間延長など減産の具体策が協議される見込みとなった。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が「12月の原油輸出を11月から日量50万バレル減らす用意がある」と述べるなど、減産で協力できる可能性もあろう。(増渕)

【供給過剰への懸念などで原油価格が大幅下落~減産継続となるか!?】

phillip_fig_MonthlyDec18_03

12月FOMCの注目ポイントは?

トランプ大統領は、FRBによる利上げに不満を漏らしているようだが、12月のFOMC(12/18-19)での0.25%の追加利上げは実施されるものと見られる。80%を超えていた利上げ確率こそ低下したが、FRBが注視するPCEコアは目標水準の2%にほぼ達している。雇用の拡大が続き、賃金上昇率が高まっており、未だ利上げが求められる状況だ。

トランプ大統領が送り込んだクラリダFRB副議長は、中立金利水準に近づいたとコメント。一部住宅関連指標の鈍化など景気への懸念も浮上。しかし、一段の金融正常化で、将来の景気後退時期に金融政策の余地を高めることにもなる。12月FOMCの注目は、2019年の利上げペースとなろう。(庵原)

【12月の追加利上げは既定路線?~注目は2019年の利上げペース!】

phillip_fig_MonthlyDec18_04

ディフェンシブ銘柄に資金移動か

11月の24業種別のパフォーマンスでは、10月に軟調だった消費サービスが騰落率トップ。スターバックス(SBUXウィン・リゾーツ(WYNNなど好決算を発表した銘柄が牽引した。一方、アップル(AAPLが大幅下落したテクノロジー・ハード・機器やエヌビディア(NVDA)の11-1月期ガイダンスが市場予想を下回った半導体・同製造装置が騰落率下位となった。

年初来では、強い個人消費を背景に小売りが17.45%上昇。医薬品・バイオテクや食・生活必需品小売なども好調だ。一方、貿易摩擦の影響を受けやすい自動車・自動車部品や資本財などが下落。エネルギーも下げが大きい。当面はディフェンシブな割安優良株の評価が高まる展開となろう。(増渕)

【S&P500の24業種別パフォーマンス~ディフェンシブセクターが優位な展開】

phillip_fig_MonthlyDec18_05

実質緩和状態が米株をサポート

欧州は英国のEU離脱、イタリアの財政問題がリスク要因として意識され、中国は、貿易戦争激化も相俟って経済指標に影響が出始めている。ただ、日米欧は未だ実質的金融緩和の状況が続いており、米国の株式市場に大きな影響及ぼすことはないと考えている。

どういう形であれ英国はEU離脱となれば、新しい通商の枠組みに入る必要も出て、米国にとって商機となる可能性もある。独伊の長期債スプレッド拡大は要注意だが、長期債利回り水準は現状、危険水域までの上昇には至っていない。また、2019年財政赤字対GDP比をEUに譲歩し、2.2-2.3%への引き下げを検討し、制裁回避の可能性もある。中国は、米国に譲歩するなど通商問題改善に向けた動きとインフラ投資など景気刺激も行っている。(庵原)

【リスク要因を検証~イタリア財政問題など欧州や中国の景気などの動向】

phillip_fig_MonthlyDec18_06


【レポートにおける免責・注意事項】
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL: http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項> 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。