米国ウィークリー 2018/11/20号

ラストチャンス?

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  • 東京は朝晩の冷え込みが強まっているがマーケットでは、世界的な景気の冷え込みへの懸念が浮上し、株価の上値を抑える要因の一つとなっている。一時70ドル/バレルを超えていたWTI原油先物価格は、世界景気の減速を背景とした需要鈍化を前提に、60ドル/バレル台を割り込んだ。VIX指数は平時の10-20のレンジまで低下してきているが、足元で18台とレンジの高い水準のままであり、先行き予断を許さぬ状況である。投資家のセンチメントが改善したとは言えない状況にあると言えよう。

    一方、コンファレンスボードなどの消費者マインドは、ITバブル期の過去最高に近い水準まで高まっている。減税効果、賃金上昇、株高などが消費者心理を押し上げている。当社米国マンスリー11月号でお伝えした通り、NRF(全米小売業協会)は、2018年クリスマス商戦(11-12月の小売売上高)が前年同期比4.3-4.8%増の7,174.5-7,208.9億ドルと予想。2017年の同5.3%増(6,878億ドル)には及ばないが、過去5年平均の同3.9%増を大きく上回る見通し。例年、年末ラリーは、11月の第3木曜日の祝日・感謝祭(今年は11/22)を機に強まる傾向があり、今年も相場動向に注目したい。
  • パプアニューギニアで開かれたAPECでは、米中の通商政策を巡る対立から1993年第1回会議以来初めて首脳宣言が採択されず閉幕。ただ、中国が142項目の改善案を米国に提出し、トランプ大統領は同是正策を評価。対中制裁第4弾を留保した模様だ。水面下で月末の米中首脳会談に向けた交渉が進展している可能性があり、方向感に欠ける相場の年末ラリーに向けた投資のラストチャンスとなるかもしれない。

    NOAA(米国海洋大気庁)の気候予報センターは10月、この冬(2018/12-2019/2)の気温は、北部、南部の他、アラスカやハワイも含め平年より高めと発表。しかし、11月に入り暖房油などの配給会社が本格的な冬の到来を前に、米国の気温は例年に比べ低めで、暖房向けヒーティングオイル価格は高く、12月以降、数ヵ月はこの傾向が続くとしている。既に燃油会社は、供給に関するウォーニングを出しており、ヒーティングオイル・サービスで、早めの供給を急ぐ企業が出ているようだ。暖房油価格の上昇は、家計には痛手である一方、足元の原油価格急落で、ガソリン価格の下落や航空会社の燃油サーチャージ値下げも期待される。AAA(米国自動車協会)は、感謝祭を含む週に自宅から50マイル(約80Km)以上旅行に出かける米国人は約前年同期比5%増の5,400万人超、うち4,850万人が車と予想している。クリスマスシーズンを迎え、消費関連の他、ホテル、旅行会社・サイト、航空会社などにも注目したい。(庵原)
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S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/16現在)

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■主な企業決算 の予定

●11月20日(火):キャンベルスープ、ロウズ、ターゲットベストバイ

コールズ、アナログ・デバイセズ、フットロッカー、ギャップ

●21日(水):ディア

■主要イベントの予定

●11月20日(火)

・ブラジル株式市場は休場

・10月の住宅着工件数

●11月21日(水)

10月の耐久財受注

10月の景気先行指標総合指数

・10月の中古住宅販売件数

・11月17日終了週の新規失業保険申請件数

11月のミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)

●11月22日(木)

・感謝祭の祝日、株式・債券市場は休場

・南ア 金融政策会合

・ユーロ圏11月の 消費者信頼感

●11月23日(金)

・感謝祭翌日の「ブラックフライデー」、株式・債券市場は短縮取引

・ユーロ圏11月の製造業PMI、サービス業PMI、総合PMI

●11月24日(土)

台湾統一地方選挙

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



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