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米利上げに代わるリスクオフのトリガー要因

直近の米国株式市場の堅調さは、イエレン連邦準備理事会(FRB)による利上げをかなり織り込んできたことを示唆しています。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で実際に利上げに踏み切っても、その後の利上げペースは相当緩慢なペースとなることが予想されることから、米利上げリスクは後退していると考えていいでしょう。
しかし、ここにきて新たなリスク要因が浮上しており、今月も最後まで油断の出来ない1ヵ月となりそうです。
そのリスク要因とは?

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広がり続ける乖離

前月の市況コメントで掲載した「比較チャート①」をみると、中国上海株式が急落した6月以降、世界の株式パフォーマンスと商品市況のトレンドを示すCRB指数のそれとの乖離が広がり続けていることがわかります。株式市場をサポートしているのは、言うまでもなく世界的な緩和レースです。しかし、これは人為的に相場が歪められているということを意味します。
翻ってCRB指数の方は、世界最大の資源輸入国である中国の内需縮小(輸入は13カ月連続で前年割れ)を素直に反映し、現在まで低下基調が続いています。資源を重要な輸出品目としているオーストラリア、チリ、ブラジル、南アフリカそして東南アジア諸国(インドネシア/マレーシア)といった資源/新興諸国と中国経済の結びつきが年々強まっている点を考えるならば、こちらはファンダメンタルズ(資源需要の後退懸念)を素直に反映した動きと言えるでしょう。


【比較チャート①】青ライン:世界の株式パフォーマンス 赤ライン:商品市況のパフォーマンス



焦点は米金融政策から商品市況へ

今月4日に発表された米雇用統計(11月分)は労働市場の持続的な改善を示す内容となりました。イエレンFRBによる利上げが迫る中での強い雇用統計は、米国株式の圧迫要因となる可能性もありましたが、実際は株高で反応。長年に渡るイエレンFRB議長の地均し工作が奏功し、利上げへの耐性が強まっていることが確認されました。現状、米国株式がリスク選好の先導役としての役割を果たしていることで、グローバル株式市場も今夏のようなリスクオフ局面に陥るムードは感じられません。今後もこの状況(株高)が継続するならば、円相場ではドル円が円安の牽引役となるでしょう。
しかし、上記の乖離を考えるならば、商品市況が米利上げに代わるリスクオフのトリガーとなる可能性があります。
石油輸出国機構(OPEC)内での減産を巡る意見対立が鮮明となる中(ウィーンの定例総会では減産見送り及び生産目標の明示取りやめという異例の事態となる中)、NY原油先物価格(1月限)は、上記の通り約7年ぶりの安値水準へと下落しています。そして11月中旬以降レンジを形成しつつあったCRB指数にも再び下落圧力が強まり、今年9月下旬のリスクオフ局面で付けた安値レベル(2135.53)を視野に入れる展開となっています。
原油市場をはじめとした商品市況低迷の根底にあるのが中国の内需縮小であることを考えるならば、商品市況の早期反発は期待できないでしょう。このため各機関(国際通貨基金、世界銀行等)による資源/新興諸国の経済成長は今後も前回予測を下回り続ける可能性があります。新興国株式市場のパフォーマンスも低下し続けるでしょう。事実、「比較チャート②」をみると、世界の株式パフォーマンスを常に上回り続けている米国株式と比べ、新興国及びBRIC株式の低下基調が鮮明となっていることがわかります。商品市況がさらに低迷すれば、新興国株式市場をさらに圧迫するでしょう。そして、その影響がリスク選好の先導役である米国株式に波及し、米利上げリスクに変わるリスクオフ要因として意識されれば、USD/JPYはクロス円での円高圧力が圧迫要因となり、125円台を再トライすることなく2015年を終えるでしょう。
一難去ってまた一難、今月は商品市況を注視する1ヵ月となりそうです。

 

【比較チャート②】基準値:世界の株式パフォーマンス

※市況コメントは、2015年12月9日(水)までのマーケット状況をもとに作成されております。

 

 

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