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日米金融政策 それぞれの焦点

今週は日米の金融政策に市場の注目が集まるでしょう。それぞれの焦点は以下となります。

【サマリー】

  • 米FOMCの焦点は、声明文で「6月利上げシグナル 」を発信してくるかどうか。もしそのシグナルを発信してくれば、外為市場ではドル高回帰のムードが強まるでしょう。ドル安からドル高へ転換する場合、2月中旬以降から続くリスク選好トレンドが変化する可能性あり。円相場ではクロス円を中心とした円高を警戒したい。

  • 日銀金融政策決定会合の焦点は、「質・量・金利」の面で総合的な緩和強化に踏み切るかどうか。1月のマイナス金利導入時とは違い、現在のマーケットはリスク選好トレンドを形成中。このため、日銀の金融緩和強化は「円安・株高」要因となる可能性あり。しかし、その継続期間はグローバル市場次第、という厳しい現実が黒田日銀の前に立ちはだかるだろう。

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米FOMCの焦点は
「6月の利上げシグナル」

4月26-27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回の焦点は、イエレンFRBが「6月の利上げシグナル」を発信してくるかどうか、この点となるだろう。なぜならドル相場のトレンド次第で、5月以降の投資家のリスクセンチメントが左右される可能性が高いからだ。


なぜドル相場が投資家のリスクセンチメントを左右する要因となるのか?

この点を2つの比較チャートで確認したい。ドル相場(ドルインデックス)と米国株式(MSCI)のトレンドを比較すると(比較チャート①参照)、「ドル高=株安要因(乖離①)」、「ドル安=株高要因(乖離②)」となっていることがわかる。次に比較チャート②でドル相場(ドルインデックス)と原油価格(WTI原油先物)のトレンドを確認すると、比較チャート①と同様の展開となっていることがわかる。これら2つの比較チャートは、3月以降のリスク選好相場(=株高&国際商品市況の反発維持)をサポートしてきたのが「ドル安」であることを示唆している。
 

なぜ3月以降、急速にドル安が進行したのか?

3月のFOMCでイエレンFRBが利上げに対してハト派的なスタンスを示したことがその主因だが、その後発表された米指標データは、米国経済の先行き懸念を市場に強く意識させるまでの内容とはなっていない。よって、今回のFOMCでイエレンFRBが「6月の利上げシグナル」を発信してきた場合、外為市場ではイエレンFRBのハト派スタンスを完全に織り込むだろう。それは、3月以降続いたドル安トレンドの終焉を意味する。この場合、株式市場と国際商品市況ではポジションの巻き戻し圧力が強まれば、外為市場ではこれまでとは真逆の展開、つまり資源国通貨及び資源輸出に頼る新興国通貨に対する売り圧力が対ドルで強まろう。対照的に最も選好されやすい通貨は日本円となろう。その場合、円相場ではクロス円を中心とした円高圧力がドル円(USD/JPY)の下落を誘発し、再び110円以下への攻防へシフトしよう。

一方、「6月の利上げシグナル」発信を見送るならば、ドル安トレンドが継続すると思われる。この場合、株式市場と国際商品市況ではさらなる上値トライの状況が想定される。円相場ではクロス円が円安の牽引役となるだろう。一方、ドル円(USD/JPY)はドル安圧力と円安圧力の板挟みとなり、110.00-115.00のレンジ相場へシフトする展開が想定される。


【比較チャート①】乖離①:ドル高・株安 / 乖離②:ドル安・株高

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【比較チャート②】乖離①:ドル高・原油安 / 乖離②:ドル安・原油高

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黒田日銀の前に立ちはだかる冷徹な現実

ドル円(USD/JPY)は22日、「黒田日銀が金融機関向けの中銀貸出にもマイナス金利を適用する」との観測報道を受け、111.81レベルまで急伸した。年初から「円高・株安」が急速に進行したことを受け、市場では4月27-28日に開催される金融政策決定会合で黒田日銀がさらなる金融緩和強化に踏み切るとの観測が強まっている。今回の日銀イベントでまず念頭に置くべきは、現在のグローバル市場が1月とは真逆であるという事実だろう。1月会合でのマイナス金利導入時は、グローバル市場全体がリスク回避圧力に覆われているタイミングでの決定だった。しかし、現在のグローバル市場はリスク選好の状況下にある。よって、日銀が今週の会合で「質・量・金利」で総合的な金融緩和強化に動いた場合、リスク選好という土台を上手く踏み台にして「円安+株高」圧力が強まる可能性が高いだろう。その場合、ドル円相場はテクニカル面で2月16日の戻り高値114.88を起点とした短期レジスタンスラインを突破できるか、この点が注目される。それを達成すれば、115円台を視野にさらなる上値トライの展開が想定される。

だが、日銀の思惑通り「円安・株高」の展開となっても、その賞味期限(=円安・株高の継続期間)はグローバル市場の動向次第という冷徹な現実を常に意識すべきだろう(1月会合後の「円高・株安」がこの点を示唆している)。そしてグローバル市場のトレンドは、上述したようにFOMC後のドル相場のトレンドに左右されよう。

また、黒田日銀はもうひとつ冷徹な現実に直面している。それはマイナス金利政策がリスク回避要因であるという現実だ。黒田日銀は今年1月29日の金融政策会合でマイナス金利の導入に踏み切ったが、マーケットは「株安・円高」で反応。この主因となったのは、金融機関の収益圧迫懸念を背景とした金融セクターの急落にあった。では、金融緩和の状況下で、なぜ金融機関の収益圧迫懸念が意識されたのか?もちろん利ザヤの縮小懸念が意識されたことは言うまでもない。しかし、国内株式市場における売買シェアの約6割が海外の投資家※1である事実を重視するならば、彼らの目線で考える必要があろう。では、彼らが意識したマイナス金利政策の問題点とは何か?それは「ドル調達コストの上昇」懸念である。

比較チャート③の黄色ラインは円と米ドルのベーシススワップ※2の動向を示している。端的に言えれば、マイナス幅の分だけ円金利の価値を値引きしないと本邦金融機関は国際金融市場で米ドルを借りることができない状況を示している。米ドル円のベーシススワップに日経平均(青ライン)を重ね合わせると、マイナス金利導入後、米ドル円のベーシス拡大(縮小)に伴い日経平均が下落(上昇)していることがわかる。当然、黒田日銀もこのマイナス金利が及ぼす負の影響を理解しているはずである。だからこそ今度は「中銀貸出のマイナス化」という手段の導入をメディアに前もってリークした可能性がある。ただ、新たな貸出需要が未だ創出されていない状況、つまりアベノミクス第三の矢である「成長戦略(構造改革)」が遅々として進まない状況下では、どのようなマイナス金利政策を講じても日本経済全体を押し上げることは出来ず、結局はグローバル市場の動向次第という冷徹な現実が黒田日銀の前に立ちはだかり、円相場と国内株式のトレンドもこの現実に即して左右されるだろう。

※1出所:JPX投資部門別売買状況
※2本邦金融機関が国際金融市場で円を用いて米ドルを調達する際のコスト。通常Liborがベースとなる。


【比較チャート③】黄色ライン:カレンシー・ベーシススワップ(ドル円、3ヵ月円Libor-ドルLibor)

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