USD/JPY 119円割れを意識

アナリストの視点-懐疑的な市場

チャート

29日の海外株式市場は強弱まちまちの展開となり明確な方向感は見られなかった。主要な欧州株式は中国の景気減速懸念と独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題が引き続き意識され続落。一方、米国株式(ダウ平均 / S&P500)は、この日発表された米指標データ(9月消費者信頼感指数)が市場予想を上回り、且つ原油価格が反発したことが好感され小幅高の展開となった。
海外外為市場でも明確な方向感は見られず。USD/JPYは119.00-121.00、EUR/USDは1.1100-1.1300のレンジ相場が継続。一方、資源国通貨は、原油価格の反発もあり対ドル&円で買い優勢の局面が見られたものの中国の景気減速懸念は根強く、NYタイムでは売り優勢の展開となった。

ハト派と目されるイエレンFRB議長及びダドリーNY連銀総裁は、良好な米ファンダメンタルズ、労働市場の持続的な改善傾向そして将来の低インフレ脱却の可能性を指摘した上で、年内利上げに前向きなスタンスを表明した。しかし、肝心の市場はイエレンFRBサイドの指摘に懐疑的である。事実、米金融政策の方向性を反映する2年債利回りは完全に0.70%台の水準を下方ブレイク(昨日は米株高にもかかわらず金利は各ゾーンで低下)。また、CMEによれば現時点での10月利上げの確率が11%、12月のそれが39%程度しか織り込まれていない。
これらの動向に加え、不安定化が続くグローバル株式市場、低迷が続く原油相場そして再び下落し始めた銅先物相場等の動向も考えるならば、目先、リスク選好を背景とした米金利上昇に期待できる相場環境ではない。むしろ米金融引締めリスクのネガティブインパクトを考えるならば、外為市場ではリスク回避圧力を背景とした円高の加速に警戒すべきだろう。

本日の焦点-USD/JPY119円割れを意識

本日もUSD/JPYは、119.00-121.00を中心レンジと想定したい。ただ、上述の通り米金利の上昇を背景としたドル高に期待できない以上、トレンドは株式市場次第となろう。より注意すべきは、株安を背景とした119円割れリスクだろう。市場関係者が注視している上海株式は現状、3,000-3,250のレンジ相場を形勢中。しかし、直近は25日MAを突破し切れずに下限をトライするムードが強まっている。再び3,000ポイント割れとなれば、日経平均が追随することで円高圧力が強まろう。

また、テクニカル面でも119円割れの可能性が高まっていることを示唆している。9月上旬以降、レジスタンスラインとして意識されてきたのは200日MAだった。しかし、昨日は120.15レベルで推移している日足の一目/転換線で上値がレジストされた。本日も同じ状況となれば、テクニカル面でも119円割れを視野に円高圧力が強まる展開が想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.90:200日MA(青ライン) 120.15:一目/転換線(黄ライン)
サポート 119.00:サポートポイント 118.40:サポートポイント

引き続き119.00-121.00のレンジを想定。上下のチャートポイントは上記の通り。上値トライとなった場合の焦点は、日足の転換線での攻防だろう。2日連続でレジストされた場合は、119円割れリスクを常に意識する局面へシフトしよう。
尚、直近のオーダー状況だが120.20及び121.00にはオファー、119.00及び118.50にはビッドがそれぞれ観測されている。また、119.20及び118.60下にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1300:レジスタンスポイント 1.1283:一目/転換線(赤ライン)
サポート 1.1150:89日MA(緑ライン) 1.1140:短期サポートライン

10日MA(青ライン)の突破に成功。次の焦点は、昨日上値をレジストした日足の転換線及び1.1300となろう。一方、下値の焦点は昨日と同じ。
尚、直近のオーダー状況だが1.1300前後にはオファーが並んでいる。ビッドは1.1150レベルに観測あり。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。