米ドル相場 3つの抑制要因

Summary

今週の外為市場は、米ドル相場の反発を抑制する3つの要因に注目したい。第一の要因は、30日の10月米PCEである。低インフレの継続懸念を強める内容となれば「米金利の低空飛行継続→米ドル売り」の状況が継続しよう。第二の要因は、同じく30日に開催される石油輸出国機構(OPEC)の総会である。協調減産について市場はある程度織り込み済み。それでも合意内容が原油の供給過剰懸念を後退させるならば、資源国通貨に対して米ドル安圧力が強まろう。第三の要因はユーロ相場である。対ユーロで米ドル安の進行が続けば、ドル円の上値を抑制する可能性が高い。

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Analyst's view

FEDがインフレ指標として注視するPCEコアは、前年同月比で1.3%と低空飛行状態が続いている(チャート①)。根強い低インフレについての懸念がFED内で強く意識されていることがFOMC議事録(10月31-11月1日開催分)で判明した。30日に発表される10月PCEで持続的な低インフレの状況が確認されるならば、米長期金利は2.4%前後での低空飛行状態が継続しよう。外為市場では、米ドル相場の軟調地合いが継続しよう。

PCEが発表される30日にはOPECの総会が開催される。来年3月末で期限が切れる協調減産の延長合意について市場は織り込み済み。それでも過剰供給懸念を後退させる合意内容が提示されるならば、原油先物相場との相関性が高いロシアルーブルやカナダドルの買い圧力が対ドルで強まろう。米ドル安が継続すれば国際商品市況のサポート要因となることで、上記以外の資源国&新興国通貨も対ドルでの堅調推移が想定される。

米ドル安継続の要因として筆者が今週最も注目しているのが、ユーロドルである。重要レジスタンスポイント1.1860を突破すると、日足一目雲を大陽線で一気に突破したことで三役好転が示現(チャート②)。テクニカル面でユーロ高が示唆された主因は、ECBによる金融緩和政策の継続やドイツの政治リスクよりも域内のファンダメンタルズ改善との相関性が高まっていることにある。さらに低インフレ懸念と税制改革期待の後退によって米金利の上昇が抑制状態となっていることも考えるならば、ユーロドルは今後、調整を挟みながらさらに上値トライの可能性がある。対ユーロで米ドル安が継続すれば、ドル円の上値を抑制する要因となり得る。

世界の株式市場は堅調地合いを維持し、リトレースメント50.00%でサポートされた(=111円台を維持した)事実も考えるならば、今週のドル円は反発相場を想定したい。だが、米金利の低空飛行状態に変化は見られず、また上述した米ドル安要因が意識される可能性も考えるならば、現時点では、直近高値114.73を起点とした短期レジスタンスラインもしくは50日MAまでの反転が限界と想定したい(チャート③)。一方、下値の焦点は111円台の維持となろう。112.00にはオファー、111.00には厚いビッドがそれぞれ観測されている。
ユーロドルの上値攻防分岐は、1.1964に位置するリトレースメント76.40%となろう。この水準を突破する場合、節目の1.20が次のターゲットとして浮上しよう。一方、下値の焦点は日足一目雲の上限の維持となろう(チャート②)。尚、1.20にはオファーが観測されている。


【チャート①:PCEコア】

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【チャート②:ユーロドル】

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【チャート③:ドル円】

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