焦点は米国のインフレ指標(CPI)

Market Summary

昨日の海外外為市場は米ドル安の展開となった。ドル円は欧州タイム前より日米利回り格差の縮小に連動し下落圧力が強まり、重要サポートポイント108.00を下方ブレイク。欧州株が全面安となり、且つ序盤の米株も軟調地合いでスタートしたことで、NYタイムに107.39まで下落する局面が見られた。その後米株が反転したことを受け、ドル円も107.80台まで反発したが108円台の再上昇には失敗した。一方、ユーロドルは米ドル安を背景に1.2371まで上昇する局面が見られた。
米株は主要3指数がそろって上昇。だが、米長期金利に対する懸念は根強く上昇幅は限られた。NY原油先物3月限は、国際エネルギー機関(IEA)が米国のシェールオイル増産の可能性を月報で示唆したことが材料視され、前日比0.10ドル安の1バレル=59.19と小反落した。NY金先物4月限は対ユーロでの米ドル安を好感し、前日比4.0ドル高の1トロイオンス=1,330.4と続伸して終了した。

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Market Analysis

2月に入りNY原油先物相場は下落基調へ転じ、60ドルを割り込む展開となっている。しかし昨夏以降、原油動向と順相関の関係にあった米長期金利(10年債利回り)は、2.8%台の水準を維持する状況が続いている(チャート①)。両市場のかい離は、現在の米長期金利の上昇が原油動向以外の要因で発生していることを示唆している。では、現在の金利上昇の要因は何か?まず、米長期金利が急騰したタイミングが1月下旬である点に着目すると、やはりムニューシン米財務長官による「米ドル安容認」発言が、現在の金利上昇トレンドをサポートしている要因のひとつだろう。

そしてもうひとつの要因は、米国内のインフレ上昇に対する思惑である。この点を市場に意識させたのが、前年同月比で2.9%増と2009年6月以来の水準まで急回復してきた1月の賃金動向だった。本来ならば「賃金の上昇→個人消費の拡大→インフレ上昇→景気拡大」が意識され、米国市場はリスク選好相場となるはずだった。だが、米株式市場では「賃金上昇→個人消費の拡大→インフレ上昇→FEDの利上げペース加速」の方が強く意識され、現状「米長期金利上昇 / 米株安」の展開となっている。本日は後者の点(インフレ動向)に市場の関心が集まろう。焦点は1月CPIだが、市場予想は前年同月比で1.9%、コア指数のそれは同1.7%と前回よりも低下する見通しとなっている。市場予想を下回る内容ならば、米債券市場では値ごろ感から債券を買い戻す展開が想定される(米金利は低下)。その結果、外為市場では米ドル安圧力が強まろう。ユーロドルは1.2400(61.80%戻し)を視野に上値トライの展開となろう(チャート②)。一方、米株は堅調に推移することが想定される。株高にサポートされドル円は108円台を回復する局面があろう。だが、米ドル安圧力により上昇幅は限定的となろう。本日の上値攻防分岐は5日MAを想定。一方、1月米CPIが市場予想を上回る内容となれば「米長期利上昇→米ドル高&株安」の展開を想定。ユーロドルは1.23割れ、ドル円は株安の方に反応し重要サポートポイント107.31(2017年安値)をトライする展開をそれぞれ警戒したい(チャート③)。


【チャート①:NY原油先物相場と米長期金利】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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