リスク要因としての米中首脳会談

Summary

今週の円相場のトレンドを左右する重要イベントとして注視すべきは、米中首脳会談だろう。トランプ米大統領は8日から10日かけ中国を訪問。滞在中に習近平国家主席と首脳会談を行う予定となっている。この重要イベントに合わせ北朝鮮が何らかの挑発的な行動を取るならば、高値圏にある日米株式には一時的にせよ下落圧力が強まろう。外為市場では円高圧力が強まろう。一方、米ドル相場のトレンドも米中首脳会談に左右される可能性がある。トランプ米大統領は、中国の対米貿易黒字に対して「ひどいレベルにある」と指摘。米中首脳会談では両国間の貿易不均衡問題が主要議題となるだろう。議論の過程で為替問題が取り上げられるならば、米ドル安圧力が強まる可能性がある。

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Analyst's view

イエレン路線を継承するパウエル氏が次期FRB議長に就任し、10月米雇用統計では賃金の伸びが引き続き抑制されたことで米利上げペースが加速する懸念は後退中。これらの状況は米株高トレンドをサポートしよう。だが、北東アジアの地政学リスクが再燃する場合、一時的にせよ株高トレンドに水を差すだろう。今年の北朝鮮は中国の重要政治日程に合わせて挑発行動に出る傾向がある。米中首脳会談に合わせ北朝鮮が何らかの挑発行動を取るならば、高値圏にある日米株式市場では一時的にせよ下落圧力が強まろう。ロシアゲート疑惑や税率引き下げの手法を巡り税制改革への不透明感がにわかに意識されているタイミングで北東アジアの地政学リスクが再燃すれば、ドル円は重要レジスタンスポイント114.50トライを前に、短期的な調整相場へ転じるだろう。テクニカル面で注視すべきは21日MAの攻防だが、株安と米金利の低下が同時に発生するならばこのMAを下方ブレイクするだけでなく、重要サポートポイント111.50レベルをもブレイクする可能性がある(チャート①参照)。クロス円も円高優勢の展開を想定したい。
一方、米ドル安圧力を強める要因として注視すべきイベントも、同じく米中首脳会談となろう。4月の首脳会談では「100日計画」で米国サイドは様子見姿勢を決め込んだ。しかしその間、中国サイドが対米貿易黒字を削減する具体的な対策に乗り出さなかったことから、トランプ米大統領のアジア歴訪に同行しているライトハイザーUSTR代表は対中貿易不均衡について「大きな問題がある」と指摘。トランプ米大統領と歩調を合わせて通商政策(=米ドル安政策)を鮮明にすれば、その効果の程はともかく、外為市場では一時的にせよ米ドル安圧力が強まろう。この場合、ドル円は株式動向次第で下値のポイントが決まろう。米ドル安のみならば、上述したサポートポイント111.50レベルを維持する可能性が高い。一方、ユーロドルは一時的に上値トライの展開となろう。テクニカル面での焦点は、現時点での今年最高値1.2092を起点とした短期レジスタンスラインのトライとなろう。21日MAの上方ブレイクは、このラインをトライするシグナルと想定したい(チャート②参照)。


【チャート①:ドル円】

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【チャート②:ユーロドル】

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