大規模減税とインフレ脱却期待

Market Overview

27日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。この日の米株は、税制改革期待を背景に主要3市場がそろって上昇。利上げペースの維持と米株高を背景に米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは2.316%と、8月1日以来の水準まで急反発する局面が見られた。米長期金利の上昇は米ドル買い圧力を強め、ドル円は113.25と7月14日以来の水準まで上昇。一方、ユーロドルは1.1717レベルまで米ドル高が進行した。

NY原油先物11月限は、米原油在庫の減少を背景に前日比0.26ドル高の1バレル=52.14と反発する展開に。NY金先物12 月限は外為市場での米ドル高が嫌気され、前日比13.9ドル安の1トロイオンス=1287.8と続落。一時は1285.3と、中心限月として8月25日以来、約1カ月ぶりの安値を付ける局面が見られた。

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Analyst's view

9月の米FOMC後、低下基調へ転じつつあった米10年債利回りだが、昨日は8月1日以来となる2.3%の水準を突破した。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りが1.483%と、2008年11月上旬以来の水準まで上昇している事実を鑑みるに、FEDによる利上げペースの維持が米債券市場で意識されていることは確かだろう。

しかし、米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは、FOMC後に低下圧力が高まり、且つ前日のイエレン講演を受けても反発が限定的だった。そして、トランプ政権と与党・共和党の議会指導部による大規模減税案の公表日に急反発し、上記のとおり2.3%台の水準を一気に回復した(チャート①参照)。これらの点を考えるならば、10年債利回りの反発維持の軸となるのは、低インフレからの脱却期待にあろう。トランプ減税は、その期待を高める最も有効な手段であることはこのレポートで指摘済み。個人消費の拡大、米国内における企業活動の活発化、そして米国への投資資金流入がかみ合えば、新たな需要が生み出されることで自然とインフレの上昇圧力が高まるからだ。だが、トランプ政権の政策運営能力が低下する中、財源問題を克服するために必要な国境(調整)税の議論がスムーズに展開される可能性は現時点で低い。現在は、期待先行で金利が再び反発局面へと再び転じ株高も維持されていることから、米ドル買い優勢の展開を想定しているが、今後の報道次第で下火になる可能性を常に警戒したい。

本日のドル円は、トランプ減税期待を背景とした「株高 /金利上昇」により上値トライを想定したい。焦点は114円台への上昇となろう。114.00には厚いオファーの観測あり。テクニカル面では114.50レベルの突破が注目される。一方、下値は25&26日と相場をサポートした111.50レベル(日足雲の上限)の維持が焦点となろう。このレベルにはビッドの観測あり。また、112.00にもビッドが観測されている。
ユーロドルは下値トライを想定したい。下値の攻防分岐は日足雲の上限の攻防となろう。このテクニカルを下方ブレイクする場合、1.1650レベルまでの下落を警戒したい。米長期金利のさらなる上昇により1.1650以下の攻防となれば、直近高値1.2092からの38.20%戻しが次のターゲットとして浮上しよう。


【チャート①:米長期金利の動向】

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【チャート②:ドル円チャート】

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【チャート③:ユーロドルチャート】

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