G20よりも原油相場

Market Overview

26日から主要20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が中国上海で開催される。一部では、年明け以降、混乱するグローバル市場を抑制するための協調政策を期待する声がある。しかし中国の構造問題、低迷する原油価格そして米国の金融政策等、どれも各国の利害と思惑が入り乱れるテーマが主要アジェンダである以上、G20全体における短期的且つ効果的な協調政策を打ち出せるかどうかは不透明。よって、今週の外為 / 株式の両市場は、引き続き原油相場に右往左往する1週間となる可能性が高いだろう。

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Analyst's view

先週のグローバル株式は、日米欧そして新興国市場のほとんどでリスク選好優勢の展開となった。そのけん引役となったのが、サウジアラビアやロシアなど産油国4ヵ国の「増産凍結」合意を背景に反発基調を強めた原油相場だった。しかし、WTIチャートを確認すると未だ標準誤差回帰分析バンドの中心線突破に四苦八苦していることがわかる。原油相場反転の必須条件が「増産凍結」ではなく「協調減産」であることをこのチャートは示唆しているが、「イラン問題」がネックとなっている現状を考えるならば、「協調減産」合意への新たな情報が早期にもたらされる可能性は低いだろう。むしろ、条件付き「増産凍結」合意へのネガティブな思惑が強まることで今後も原油相場の不安定化が継続する方を警戒したい。よって、先週堅調だったグローバル株式市場がこのままリスク選好トレンドへ回帰するかと問われれば、答えは”ノー”だろう。

外為市場では、円高圧力の高まりを警戒する局面が継続しよう。原油価格の低迷は国内株式市場のみならず、日本経済全体にとってもネガティブ要因であることが18日の貿易統計(1月)によって確認されたからだ(貿易収支は2ヶ月ぶりの赤字=6459億円へと転落)。中国春節という季節的要因は考慮すべきものの、米国及び欧州連合(EU)向けまでが各々5.3%減、3.6%減(5か月ぶりの減少)となった事実を考えるならば、中国の景気減速が世界的な需要不足(=供給過剰)状態を誘発していることがわかる。よって、原油安を背景とした日本の交易条件が改善する可能性は低く(=原油安→株高→円安→輸出増→交易条件の改善というプロセスは期待できず)、また政府 / 日銀が金融緩和政策の強化に乗り出してもネガティブインパクトの方(=金融セクターの収益圧迫→貸出の減少→企業の設備投資減少→雇用減少→消費低迷→デフレ経済へ逆戻り)が意識されることで円高圧力を招く公算が大きい。
上記の点を見越してか、投機筋のポジション動向(シカゴIMM)では円を買い越す動きが見られ(4.7万枚の円ロング)、且つテクニカル面でも下記「Technical analysis highlights」で指摘しているように、USD/JPYは日足の一目/転換線および10日MAにレジストされる状況が継続中。クロス円でもEUR/JPYが重要サポートポイント126.00を完全に下方ブレイクする等、円高優勢の展開となっている。原油安&株式反発にもかかわらず円安が限定的である以上、再び「原油安→グローバル株式不安定化」となれば外為市場では円高圧力が一気に高まろう。

WTI日足チャート

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