FOMCと米ドル相場 ①

Market Overview

9日のドル円は調整地合いが継続し、110.81レベルまで反発する局面が見られた。しかし、ハイテク株を中心に米株で売り圧力が強まると米金利の上昇圧力も削がれ、ドル円は110.13レベルまで下落。ユーロドルも「米ドル高→米ドル安」の展開となり、ローソク足の実体ベースでは21日MAを維持した。一方、英国総選挙の結果を受けアジア時間に急落したポンドだったが、欧州時間以降は行き過ぎた下落の調整が主体となった。対ドルでは1.27レベルがサポートポイントとして意識された。対円では139円ミドルから141円前半までショートカバーが進行する局面が見られた。

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Analyst's view

今週の外為市場は米FOMCにらみの展開となろう。利上げについてはすでにメインテーマから外れている。よって、今回の焦点は、FEDが見据える将来の経済見通しとそれに伴う金融引き締めのペースとなろう。それらを見極める上で重要となってくるのが、政策当局者の思惑を反映した経済予測、特に金利予測となろう。直近のインフレが抑制傾向にあり、且つ個人消費の拡大がおぼつかない状況も考えるならば、前回予測から変化はないと思われる。年3回の利上げと12月のバランスシート縮小を市場がすでに想定しはじめている状況を考えるならば、変化のない金利予測は米ドル売り圧力を強める可能性がある。米ドル高となっても、それは一時的な現象で終わると想定している。今年に入り米金利はトランプ政権に対する不透明感に右往左往する状況となっているが、すでに市場で織り込まれている利上げペースにも変化がないことが判明すれば、金融政策の面でも米金利を押し上げる効果が薄れると思われるからだ。

FOMC後に「米金利低下→米ドル売り」となれば、ドル円は下値トライの展開となろう。変化のない利上げペースは緩やかな利上げを意味し、それ自体は米株高要因である。だが、米ドル相場のトレンド決定要因である米金利が株高に追随出来ない現状を考えるならば、「株高=円売り」圧力以上に「米金利低下=米ドル売り」圧力の方が勝ることが想定される。テクニカル面でも下値トライのムードが出ている。そのムードを醸成しているのが短期レジスタンスラインの存在だろう。9日は米債券市場の調整相場に追随しドル円もショートカバー優勢の展開となった。ただ、5月高値114.37レベルを起点とした短期レジスタンスライン手前で見事に上値がレジストされた(チャート①参照)。200日MAや週足一目雲にもレジストされている状況である。これらテクニカルが意識されているということは、ファンダメンタルズの面で米ドル買いを買い進める状況にないことを示唆している。
ドル円が下値トライとなった場合、焦点は109円台の維持となろう。109.00にはビッドの観測あり。「緩やかな米利上げ→株高」が相殺要因となる可能性があるため、現時点で4月安値108.13レベルを一気にトライする展開は想定していない。そのような展開となるならば、それは米株が崩れた時だろう。


【チャート①:ドル円チャート】

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【チャート②:米株と米金利の比較チャート】

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