FOMCを前に揺れ動くリスクセンチメント

アナリストの視点-この日はリスク選好が優勢

投資家

15日の海外外為市場は、リスク選好を背景にドル買い優勢の展開となった。この日発表された米小売売上高(8月)の結果が堅調な個人消費の伸びを示したと受け止められ、米株は素直に株高で反応。米金利も各ゾーンで上昇したこと受け、EUR/USDは1.1258レベルまでドルの買戻しが進行した。119.40レベルまで下落したUSD/JPYもNYの引けベースでは120円台の水準を維持した。ドル買い以上に買い圧力が強かったのが資源国通貨だった。株高に加え原油価格の反発も合わさり、NYタイムは豪ドルや加ドルが対ドル、円そしてユーロで堅調に推移。また、ニュージーランド乳業大手のフォンテラが発表したGDT価格指数(国際乳製品価格)が前回入札時から16.5%上昇したことが好感され、NZD/USDは10日以来となる0.6369レベルまで上昇した。

米金融政策の方向性を反映しやすい2年債利回りは昨日、2014年12月以降レジストされ続けた0.76%を難なく突破し、2011年4月以来となる0.81%台の水準まで急伸。連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げリスクが強まってきたことを示唆している。
意外にもこの日の米株は株高で反応。ただ、今回の株高は上述した小売売上高の結果に加え、原油価格の反発そして輸送貨物大手UPSの臨時雇用といった個別要因が重なっての買戻しという側面が強い。8月下旬の中国ショック以降も米株では上値の重い状況が継続中であり(ダウ平均は16,700ドル手前、S&P500は1,990ドル手前でレジストされる状況が継続中であり)、利上げへの耐性が十分に強まっていると判断するには、FOMC後の反応を見極める必要があろう。

本日の焦点-レンジ相場継続を想定

本日も各市場でのレンジ相場継続を想定したい。アジア時間の焦点は引き続き株式動向となろう。堅調な欧米株式を受け、序盤の日経平均は底堅く推移する可能性がある。円相場では円売り優勢の展開が想定される。ただ、上海株式が節目の3,000ポイントを再び割り込む展開となれば、リスク回避の円高圧力が強まる可能性があろう。一方、昨日堅調に推移したオセアニア通貨には利益確定の売り圧力が強まることが想定される。

海外時間は株式及び指標データにらみの展開となろう。日本時間17時30分の英雇用統計はポンド相場の変動要因となろう。21時30分には米消費者物価指数(CPI)が発表される。焦点はコア指数が予想(前月比:0.1%)以上となった場合の米国マーケットの反応だろう。昨日同様「株高 / 金利上昇」で反応するならば外為市場ではドル高優勢の展開となろう。一方、前日の米株上昇とFOMCというタイミングを考えるならば、米株で利益確定売りが強まる可能性がある。「株安 / 米金利上昇」となれば、外為市場では対ドルで円&ユーロ買い圧力が強まると同時に、 資源国通貨&新興国通貨安の展開が想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.50:レジスタンスポイント 120.85:200日MA(青ライン)
サポート 119.96:一目/転換線(黄ライン) 118.80:サポートポイント

本日も一目/転換線を下限、一目/基準線(赤ライン)-200日MAを上限と想定したい。ただ、121円手前で上値がレジストされている状況を考えるならば、警戒すべきは転換線の下方ブレイクだろう。119.40-25レベルにかけてはビッドが観測されている。昨日同様、119円ミドル割れでドルロングを仕掛ける手もあるが、119.20下にはストップの観測があるため要注意。119円割れとなれば、118.80が次のサポートポイントとして浮上しよう。
尚、オファーは121.00及び121円ミドルに観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1401:リトレースメント50.00% 1.1327:トライアングル上限
サポート 1.1235:サポートポイント 1.1185:トライアングル下限

徐々にトライアングルを形成中。焦点は上限と下限、どちらをブレイクするかだろう。上限ラインはリトレースメント38.20%とクロスしている。
下限ラインのブレイクを目指す展開となった場合は、一目/転換線(黄ライン)と10日MA(青ライン)がクロスしている1.1235前後での攻防に注視したい。
尚、直近のオーダー状況だが1.13ミドルレベルにはオファーが観測されている。

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