FOMCまで上下に振れる展開を想定

アナリストの視点-日々様変わりするリスクセンチメント

チャート

8日の海外株式市場は、上海株式が引けにかけてプラスに転じたことを好感し、総じて底堅い展開となった。特に米国株式市場が2%超の大幅反発となったことで、米国債券市場では各利回りゾーンへの上昇圧力が強まった。「株高+金利上昇」を背景にドル円は欧州タイム以降、節目の120.00をトライする動きが散見された。クロス円も総じて堅調に推移。特に上昇幅が目立ったのが英ポンドと資源国通貨だった。前者は、日系損害保険会社による英関連企業買収が材料視され、GBP/JPYは184円台を回復する展開に。一方、後者では、世界的な株高(特に上海株式のプラス転換)に加え、国際商品市況の下げ渋り(堅調な北海ブレント / 銅先物の急反発)を受け買い戻し圧力が強まりCAD/JPYは91円、AUD/JPYは84円ミドルをそれぞれトライ。また、NZD/JPYは76円台へ再上昇する局面が見られた。オセアニア時間でも円安ムードは継続。そのまま東京時間を迎えている。

根強い9月利上げ観測と堅調な株式市場を背景に、8日の米2年債利回りは0.73%台の水準まで上昇。だが、2014年12月以降、強烈なレジスタンスとして意識されている0.75-0.76%のゾーンを突破できない事実は、9月利上げに対する市場の思惑が交錯していることを示唆している。昨日は、上海株式における引けにかけての不自然な買戻しを背景に世界的に株式市場が堅調に推移したが、米金融政策への思惑が交錯し続けている以上、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)前までグローバル株式市場では売り買いが激しく交錯する状況が継続しよう。
また、中国リスクも引き続きその不安定化要因としてあり続けよう。昨日発表された中国の貿易統計(8月 / ドルベース)で、輸入が10か月連続で減少していることが確認された。内需の拡大を模索しながら内需が縮小し続けるというジレンマに陥っている中国サイドは、今後も追加緩和で急場を凌ぐ策を講じてこよう。ただ、それが一時的な麻酔薬の効果しか発揮できないことは、これまでの上海株式の動向で確認済み。また、先週末に開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議において、中国の政策(8月の不意打ち的な人民元切り下げ)に対する各国の不信感が高まっている現状も考えるならば、内需縮小という従来のリスクに加え、政策決定の不透明さという新たなリスクもことあるごとに今後の市場で意識されよう。

グローバル株式市場での不安定化が継続するならば、外為市場でも同じ状況となろう。リスク選好局面(=株高局面)ではドル買い優勢、リスク回避局面(=株安局面)では円が最も買われる展開が想定される。

本日の焦点-上海株式の動向を注視

本日も株式にらみの一日となろう。序盤の日経平均は、昨日のグローバル株式市場を好感し買い優勢の展開となろう。外為市場では円安優勢の展開が想定される。そのトレンドが継続するかどうかは上海株式の動向次第だろう。中国当局による追加緩和観測を背景に底堅い値動きとなれば、円安優勢のまま海外時間を迎えよう。逆に景気減速懸念が意識され上海株式が失速するならば、円高優勢の展開となろう。後者の展開となった場合、昨日大幅に反発した米国株式では利益確定売り優勢の展開となることが想定される。よって、外為市場では一日を通して円高優勢の展開が想定される。

尚、指標データで注目すべきは17時30分の英国鉱工業生産指数(7月)となろう。英ポンドの買戻し基調が強まっているタイミングで市場予想以上となれば、さらなるポンド高を誘発しよう。

また、中銀関連では、ロウ豪中銀副総裁の講演(11時)及びデベル豪中銀総裁補佐の会見(18時)に注目したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.76:一目/基準線 120.16:一目/転換線
サポート 118.80:サポートポイント 118.40:重要サポートポイント

118.40レベルの維持と120円台への再上昇に成功。昨日レジストされた日足の一目/転換線(青ライン)を突破すれば、基準線(赤ライン)及び121円台をうかがう展開が想定される。下値のポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが120円ミドル前後にはオファー、119.00にはビッドが観測されている。また、118.60&118.50下にはそれぞれストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1282:日足一目/基準線 1.1243:9/3高値
サポート 1.1152:9/8安値 1.1123:一目/雲の上限

10日MA(青ライン)及び一目/転換線(黄ライン)をトライする状況となっている。完全に突破した場合は、日足の一目/基準線(赤ライン)を視野に上昇幅が拡大しよう。下値の焦点は上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが1.1230及び1.1270レベルにはオファー、1.1230上及び1.1250上にはストップが観測されている。ビッドは1.1120及び1.1100前後に観測あり。

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