ユーロドル 1.1850の攻防と国際政治の報道

Market Summary
7日の海外外為市場でもユーロを買い戻す動きが見られた。ECBによる年内の量的緩和終了に対する思惑を背景に、ユーロドルは1.1840まで上昇した。一方、ドル円は上値の重い展開となった。対ユーロでの米ドル売りの影響が波及したことに加え、この日の米債市場では債券を買い戻す動きが優勢となり、日米利回り格差が縮小。それに伴いドル円は109.47まで下落する局面が見られた。クロス円も総じて円高優勢で推移した。
米国株式は強弱まちまちの展開となった。ダウ平均は米経済の底堅さを意識した買いが続き、前日比95.02ポイント高の25,241.41と約3カ月ぶりの高値水準で終了した。一方、連日最高値を更新していたナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比54.173ポイント安の7635.070で引けた。NY原油先物7月限はベネズエラの供給懸念が意識され、前日比1.22ドル高の1バレル=65.95と反発。一方、NY金先物8 月限は、対ユーロでの米ドル売りが意識され、前日比1.6ドル高の1トロイオンス=1303.0と反発して終了した。

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Market Analysis
4日のレポートで、米国市場のリスク選好相場を背景に今週の外為市場は米ドル高になると予測した。ドル円こそ110円台へ再上昇したものの、ドルインデックスは連日の陰線示現となっている。筆者の想定とは逆に米ドル安圧力を高めた主因はユーロドルにある。プラート発言により、突如年内の量的緩和終了に対する思惑が台頭。Q1に経済成長の減速傾向が見られたにもかかわらず、ECBのキーマンから金融政策の転換シグナルとも取れる発言があったことで、ユーロドルは米国市場のリスク選好相場を無視し、直近安値1.1506からのリトレースメント38.20%の水準にあたる1.1850を視野に入れる展開となっている。2日連続で上影陽線が示現している状況は、思惑のみでのユーロ買いをこれ以上続けることに対する市場の気迷いが見られる。だが、リスクリバーサル(1週間)はユーロ高の継続を示唆しており、短期的な反発地合いの力強さが見られる。1.1850レベルの攻防を左右するのは、国際政治情勢に関する新たな報道となろう。北東アジアの政治リスクや貿易摩擦といった国際政治情勢は基本的に米ドル安要因である。この点に関して市場の警戒心を高めるネガティブな報道があれば、米債券市場では短期的な債券買いが続き米金利には低下圧力が高まろう。結果、対ユーロで米ドル安が継続し、1.1850を突破する展開が想定される。この場合、次の上値ターゲットはオファーが観測されている1.1900および5月15日高値1.1938となろう。一方、国際政治リスクの後退を促す報道があれば、米国市場ではリスク選好相場が続くことで米ドルを買い戻す展開となろう。このケースでは、21日MAの攻防を注視したい。21日MAでサポートされる展開となれば、ユーロドルの反発地合いの強さを市場に印象付けよう。
ドル円はユーロドルと米国市場の動向に左右される展開を想定したい。「ユーロドル上昇/米国市場のリスク選好相場一服」ならば、フィボナッチ・プロジェクションのポイントおよび104.55を起点とした短期サポートラインの攻防を注視したい。一方、「ユーロドルの下落/米国市場のリスク選好相場継続」のケースでは、直近高値110.26を目指す展開を想定したい。110.30にはオファーの観測あり。


【チャート①:ドルインデックス】

dollar index ドルインデックス

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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