ECBの「6月緩和強化」可能性を意識 ユーロポンドに注目

Market Overview-再び「株高オンリーのリスクオン」へ

米小売売上高(4月)は、市場予想を下回る内容となった。しかし、米国株式はバリュエーション懸念の後退と米ファンダメンタルズ改善期待を背景に上昇。ダウ工業株30種平均は5日続伸し、3日連続で過去最高値を更新した。S&P500種も1896.65と、終値ベースでの過去最高値を更新。一時は1900ドルを超える局面も見られた。

一方、債券市場は冴えない小売売上高の内容に素直に反応し、2年債&10年債利回りはそれぞれ低下。しかし、外為市場では米ドルのトレンドを示すドルインデックスはむしろ上昇した。この背景には、ユーロドル急落の影響があろう。欧州タイムに発表された独ZEW景況感調査(期待指数)は33.1と、前回および市場予想を大きく下回り、ユーロ売り圧力を強めた。さらに追い打ちをかけるように、ドイツ連銀の関係者が「必要であれば欧州中央銀行(ECB)の政策行動を後押しする用意がある」と指摘。「6月緩和強化」が現実味を帯びてきたことで、ユーロドルは日足の一目/雲の下限(1.3722レベル)どころか、1.3700をも一時下方ブレイクする局面が見られた(安値1.3689)。そして、対ユーロでのドル高が他のストレート通貨ペアにも波及し、ドル円は米株高の影響も合わさり、安値102.06レベルから高値レベルまで値を戻す展開となった。

昨日は「株高オンリーのリスクオン」へと逆戻り。ユーロ売りの影響を受けドル相場は堅調に推移したが、この状況で最もポジティブな影響を受けるのは、資源国通貨と新興国通貨だろう。実際、昨日の豪ドル/米ドルは、再び目先のレジスタンスポイント0.9380レベルをトライする展開となれば、ロシアルーブル、トルコリラ、チリペソ、メキシコペソそしてブラジルレアルといった新興国通貨も対ドルで堅調に推移した。

一方、円相場は米株式が崩れない限り、リスク回避の円高へ一気に傾く可能性は低いだろう。しかし、ECBによる緩和強化を意識しユーロ円の下落がかく乱要因となる可能性がある点には注意したい。また、ユーロドルでのドル買いが、他のストレートに波及することで、昨日のようにクロス円の上値を抑える可能性もあろう。

 

Today’s Outlook -英経済指標とポンド

本日注目の経済指標は、日本時間17時30分の英雇用関連指標(4月分)となろう。失業率は前回3.4%から3.3%に低下する見通しとなっている。ILO方式でも6.9%から6.8%へ低下する見通しとなっており、失業保険申請件数も含め総合的に雇用改善傾向が示されれば、景気回復期待と利上げの期待感からポンド買いを誘発しよう。

注目の通貨ペアは、ユーロポンドだろう。3月下旬以降、好調な英国の経済指標を背景に下落基調が続いているが、「6月緩和強化」が強く意識されているタイミングで英国の雇用情勢回復が確認されれば、さらに下値(ポンド高)を模索する展開となろう。さらに18時に発表されるユーロ圏鉱工業生産(3月)が市場予想(-0.3%)を下回れば、節目の0.80台を視野に下落スピードが加速する可能性が高まろう。尚、テクニカル面では、2012年7月安値0.7764レベルを起点としたサポートライン、リトレースメント61.80%の0.8165レベルそしてサポートポイント0.8150を完全に下方ブレイクしており、0.80(リトレースメント76.40%・0.8012)へ向け下落する可能性が高いことを示唆する展開となっている。

Today’s Chart Point

ドル円

レジスタンス 102.52:89日MA 102.23:21日MA
サポート 101.20:サポートポイント 100.75:2月4日安値

21日MAに絡んだ値動きが継続している。完全に突破した場合は、厚いオファーが観測されている102.50および89日MA(黄ライン)が次のターゲットに。下値は101.20の維持が引き続き焦点となろう。このレベルには厚いビッドが観測されていると同時に、下の水準にはストップが置かれている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3800:レジスタンスポイント 1.3722:一目/雲の下限
サポート 1.3672:4月4日安値 1.3624:200日MA

一目/雲の下限はおろか、1.3700とも一時的にせよ下方ブレイクしたことで、さらに下値を模索する展開と意識したい。次のターゲットは、4月4日安値1.3672レベル。ビッドと同時に下のレベルにはストップの観測もある。このサポートポイントをも破る展開となれば、1.3625前後で推移している200日MAを視野に入れる展開となろう。上値は、雲の攻防へとシフトするかが注目される。

 

Today’s Chart

ユーロドルチャート
ユーロポンドチャート

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