ECBイベント後の株式動向を注視

Market Overview

7日の海外外為市場は、米ドル安の展開となった。ECBイベントを前に米国債券市場では調整地合いが継続し、各ゾーンの利回りが低下。これまで米ドル高の牽引役だった金利の上昇に陰りが見えていること、またそれに伴い米独長期金利格差も縮小傾向を維持したことでユーロの買戻しも継続し、ドルインデックスは陰線が示現。また、この日の原油先物相場は米オクラホマ州クッシングの原油在庫の積み上がりが嫌気され続落した。しかし、外為市場では「米金利低下 /ユーロ買い」の方が意識され、対資源国&新興国通貨でも米ドル安優勢の展開となった。

海外株式動向だが、欧米株式は続伸。特に資金流入が鮮明となっている米国株式では、出遅れ感のあった銘柄にも買いが入ったことでダウ平均が3日続けて過去最高値を更新する展開となった。円相場は円安の牽引役だったドル円の上昇に陰りが見え始めていることで全般的に売り買いが交錯。ただドル円は米国大統領選以降、相場をサポートし続けている10日MAで反発する展開は変わらず。

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Analyst's view

米国債券市場では、トランプラリーで急騰した米金利の調整(=急落した債券価格の調整)地合いへと転じている。外為市場では、米ドル高のドライバーだった米金利の失速に伴い米ドル高圧力が後退中。しかし、ドル円は上記の通り米国大統領選以降、サポートラインとして意識されている10日MAを維持する状況が続いている。米金利の上昇というドライバーは失ったが、株高というもうひとつのドライバーが健在であることがその要因だ。株高を背景に、クロス円もBREXITショック前の水準を回復している通貨ペアが目立つようになってきた。

株高のけん引役となっているのが、米国株式であることは言うまでもない。米国大統領選以降におけるグローバル株式の騰落率(ドル建てベース)を確認すると、米国の独り勝ち状態ということがわかる。直近は米国株式とのパフォーマンス乖離が目立っていた欧州株式や新興国株式も反発基調にある(パフォーマンス比較チャート参照)。つまり、グローバル株式市場では、米国株式を筆頭にリスク選好優勢のムードが広がりを見せているということだ。株高維持をベースシナリオと考えるならば、米金利の低下が今後継続しても(=ドル円が下落しても)、株高(=クロス円の上昇)によりその影響が相殺されることから、円相場で円高圧力が強まることは考え難い。だが、このレポートで指摘しているドラギECB総裁の出方次第では、①欧州債券市場から米国債券市場への資金シフト(=ユーロドルを震源としたドル高調整の加速)、②欧州金利の上昇に伴う欧州株式の売り圧力(=欧州株調整→米国株調整→グローバル株式調整)を背景に上記のベースシナリオ(=円安継続シナリオ)が崩れる可能性がくすぶり続けている点には常に注意しておきたい。ドル円のポイントは昨日と変わらず。トップサイドはオファーとオプションバリアが観測されている115.00および今年最安値99.00からのリトレースメント61.80%にあたる115.60レベルの攻防が焦点。ダウンサイドは、10日MAおよびビッドとストップが観測されている112.50の維持が焦点となろう。ユーロドルは1.05-1.08のコアレンジを意識する展開となろう。ドラギ総裁が緩和縮小(=テーパリング)シグナルを発信してくるならば、1.08の上方ブレイクおよび日足基準線と種足転換線が密集している1.09レベルをトライする展開が想定される。


【パフォーマンス比較チャート:グローバル株式】

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