ドル円と黒田会見

Outlook

22日の海外外為市場では、米ドルの売り買いが交錯した。2月8日までの米暫定予算案可決の合意期待を背景に、ドル円は111.22、ユーロドルは1.2220台までそれぞれ米ドルのショートカバーが進行。だが、あくまでつなぎの措置であることから米ドル買いは限られた。この日目立って上昇したのがポンド相場だった。ソフトBrexitへの期待を背景に対ドルで1.3990と、2016年6月の英国民投票後の高値を更新し続けた。一方、ポンド円も155.25と2016年6月24日以来となる水準まで上昇する局面が見られた。

米国株式は米暫定予算案の合意が意識され、主要3指数がそろって最高値を更新した。企業決算への期待も相場のサポート要因となった。NY原油先物2月限は、産油国間による持続的な協調減産への期待を背景に、前週末比0.12ドル高の1バレル=63.49と小反発した。一方、NY金先物2 月限は、外為市場での米ドルの買戻しやリスク選好相場を受け、前週末比1.2ドル安の1トロイオンス=1331.9と反落した。

bg_japanese_traders_1204373

Market Analysis

米長期金利は2.6%台の水準を堅持する展開となっている。これに伴い、直近1週間の日米利回り格差も拡大傾向にあった。しかし、ドル円相場が金利差に連動して上昇トレンドを形成することはなく、111円台で上値が抑制されている(チャート①参照)。ドル円と日米利回り格差の順相関が崩れている背景にあるのは、対ユーロでの根強い米ドル安である。対ユーロでの米ドル安は国際商品市況のサポート要因となることで、資源国通貨や資源と関連の深い新興国通貨に対しても米ドル相場は軟調地合いとなっている(チャート②参照)。この状況が続く限り、ドル円の上値の重さも継続しよう。だが、リスク選好相場が続いていることから、110円の水準を一気に割り込む可能性は現時点で低い。目先の下値攻防分岐は、引き続き昨年11月高値114.73からの61.80%戻し水準を想定したい(チャート③参照)。
上記の下値攻防分岐をトライするきっかけになり得る材料として、本日は黒田総裁の記者会見に注目したい。コアCPIは原油高の影響を受け前年比で0.9%まで上昇しているが、ターゲットの2.0%前後までは未だ開きがある。このため、黒田総裁は緩和スタンスを貫く公算が大きい。だが、昨年の「リバーサル・レート」発言や年初のオペ減額といった言動は、市場から見れば金融緩和からの脱却シグナルと映った。特に年初のオペ減額以降、国内の10年債利回りには上昇圧力が強まり、一時0.09%台まで上昇する局面が見られた。記者から出口戦略にかんする質問される際、明確に否定をしない等の返答をするならば、一時的にせよ円高圧力が強まる可能性がある。その場合、上述した61.80%戻しの水準110.15レベルのトライを警戒したい。


【チャート①:日米利回り格差】

chart1_20180123


【チャート②:ユーロドルと国際商品市況】

chart2_20180123


【チャート③:ドル円】

chart3_201180123

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 注文とは

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。

  • マーケット注文(ロット優先)

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。
     

  • 「売り」取引の方法

    売りポジションの保有から取引をスタートする事により下落市場で利益を得たり、既に保有している金融資産のリスクヘッジを行うことができます。このセクションでは「売り」取引の仕組みについて学びます。