金利反発でも米ドル高圧力が抑制されている要因

Market Overview

12日の海外外為市場は、リスク選好相場を受け円安の展開となった。ドル円は米国市場での「株高+金利上昇」を背景に高値110.25まで上昇した。一方、クロス円ではポンド円が急伸。世界的な株高と8月CPIが市場予想を上回ったことで高値146.54と、8月3日以来の水準まで上昇する局面が見られた。一方、ユーロ円は2016年2月以来となる131.90レベルを付ける展開となった。

この日の海外株式は総じて株高となった。米国株式市場では主要3市場がそろって過去最高値を更新。国際商品市況では、NY原油先物10月限が需給の改善期待を背景に前日比+0.33%の1バレル=48.23と続伸。一方、NY金先物12 月限はリスク選好と米ドル高を受け、同-0.22%の1トロイオンス=1332.7と続落した。

bg_chart_1369837

Analyst's view

12日の外為市場も調整相場となった。ドル円は「株高+金利上昇」を背景に、7月高値114.50を起点とした短期レジスタンスラインおよび直近安値107.31からの38.20%戻し110.05レベルを完全に突破した。次のターゲットは8月31日高値110.67。このレジスタンスポイントをも突破するならば、8月以降、相場を圧迫し続けている111.00トライは時間の問題となろう。111.00には厚いオファーが観測されており、且つ110.90には50.00%戻しが位置している(チャート①参照)。

調整相場が続く限り、円安優勢の展開も継続しよう。一方、米ドル相場には注意が必要だろう。昨日、米10年債利回りは2.18%まで反発する局面が見られた。しかし対円やブラジルレアルでの上昇幅と比較した場合、ユーロドルをはじめとした他のドルストレートでの米ドル買いは限定的となった(チャート②を参照)。むしろ、欧州通貨に対しては下落した。金利の急反発にもかかわらず米ドル高が抑制されている背景にあるのは、米金融政策の不透明感であろう。FEDによる今年3回の利上げは既に市場で織り込まれている。且つ2017年以降、鮮明となっているインフレ鈍化は2018年以降の利上げペースに対する不透明感を強め始めている。一方、米国外ではFEDに追随する動きが強まっており、金融引き締め期待をベースとした米ドル買いのアドバンテージは急速に後退しているのが実情だ。

米金融政策に市場の耳目がシフトする中、目先注目すべきは14日に発表される8月の米CPIとなろう。市場予想を下回るならば、米債券市場では将来の金融政策に対する不透明感が一層意識されよう。「CPI鈍化→インフレ鈍化懸念のさらなる高まり→米金利が再び低下」する展開となれば、外為市場では米ドル売り圧力が再度強まろう。ドル円は上述した重要レジスタンスポイント111.00レベルで上値がレジストされる展開が想定される。一方、ユーロドルは1.21のレジスタンスポイントを目指す可能性が高まろう。


【チャート①:ドル円チャート】

chart1_20170913


【チャート②:ドルストレートの騰落率】

chart2_20170913

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • CFDの取引方法

    ここでは、IG証券の取引プラットフォームを紹介し、多様な資産クラスを提供するCFDを有効に取引するための方法について説明いたします。また、ストップ注文やリミット注文などの機能、レバレッジ取引の仕組みについても解説いたします。

  • 商品の基礎知識

    商品は、ほぼすべての製品の裏側の不可欠要素として、近代経済になくてはならないものです。不安定ながらも価値の高い天然資源が、幅広い取引の世界でどのような位置を占めるのか学んでいきます。

  • レバレッジ取引を行う

    レバレッジを利用することで、比較的少額の初回支払金額でどのように金融市場に大きなエクスポージャーを得ることができるか学びます。レバレッジは利益を増幅させることができますが、同時に損失リスクも増大するため、利用には注意が必要であることを説明しています。