中国イベント、米PPIそしてシリア情勢

Market Summary
昨日の海外外為市場は、米ドル安優勢の展開となった。ドラギECB総裁が域内経済の拡大に自信を示したことを受け、ユーロドルは1.2330まで上昇する局面が見られた。カナダドルも北米自由貿易協定(NAFTA)の協議が進展するとの期待と原油相場の反発を背景に対ドルで上昇。米ドル売りの影響はドル円にも波及し、106.60レベルまで下落する局面が見られた。クロス円は米ドル安と株高がサポート要因となるも、ロンドン勢が引けた後は米株の上昇幅縮小とドル円の下落に圧され、円高優勢地合いへ転じた。

米株は主要3指数がそろって上昇した。ダウ平均の上げ幅は一時400ドルを超えたが、短期筋中心の買戻しであったこと、また10日の習近平中国国家主席の講演を見極めたいとの思惑もあり、取引後半は下げ基調へ転じた。NY原油先物5月限はシリア情勢の緊迫化を受け、前週末比1.36ドル高の1バレル=63.42と反発。一方、NY金先物6 月限は対ユーロでの米ドル安を好感し、前週末比4.0ドル高の1トロイオンス=1340.1と続伸して終了した。

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Market Analysis
ドルインデックスを確認すると、直近は再び米ドルに売り圧力が強まっている(チャート①)。この流れが加速するかどうか、目先は①中国イベント、②3月米生産者物価指数(PPI)、③シリア情勢に注目したい。①で注目すべきは、10日に博鰲(ボアオ)アジアフォーラムで予定されている中国の習近平国家主席の講演となろう。現在の米中貿易問題について言及する場合、中国国内の対米感情と貿易戦争の激化を避けるため硬軟織り交ぜた内容となることが想定されるも、対決姿勢を前面に押し出す可能性は低い。よって、このイベントがリスク回避圧力を高める可能性も低いだろう。また、米ブルームバーグが報じた人民元切り下げ効果の検証報道についても、中国サイドが実際に動かない限り、2015年のようなリスク回避イベントとなることは想定していない。①のリスクシナリオは、習氏の講演がタカ派色となる(=米国への対決姿勢を鮮明にする)場合だろう。このケースでは「株安 /円高」を警戒したい。

一方、本日発表される3月米PPIは米ドル相場を動かす可能性がある。コア予想値は前年比で2.6%と、2月の2.5%から上昇する見通しとなっている。平均時給に続きPPIの上昇基調の維持も確認されれば、11日の3月米消費者物価指数(CPI)上昇の思惑が市場で高まろう。この場合、米長期金利に反発圧力が強まることで米ドル相場をサポートしよう。ユーロドルは1.22台の攻防へ逆戻りする展開を想定したい。しかし米ドル安圧力が再び強まる中、より注視すべきはPPIが市場予想以下となる場合だろう。このケースでは、反発圧力が強まっているユーロドルがレジスタンスラインである21日MAを上方ブレイクする展開が想定される。ユーロドルのテクニカルポイントはチャート②を参照。ユーロドルが再び上値トライとなれば、ドル円の上値を圧迫する要因となろう。下値の水準は株式動向次第で決定されよう。現在の株高基調が続くならば下落幅は限定的となろう。米中貿易関連でリスク回避を高める新たな報道がある場合、もしくは③のシリア情勢が米国の軍事行動で緊迫化する場合、リスク回避相場を背景に106円トライを想定したい。尚、トランプ米大統領はシリア問題で「48時間以内に重要な決断をする」と述べている。上値の焦点は、オファーが観測されている107.50の攻防となろう。ドル円のテクニカルポイントはチャート③を参照。

【チャート①:ドルインデックス】

DXY ドルインデックス

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

ドル円 USDJPY

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