外為市場のトレンドは米GDP次第

Market Overview-軟調な資源国通貨、リスク選好回帰はまだ先

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29日の海外外為市場は、ドル高優勢の展開となった。米連邦公開市場委員会(FOCM)で利上げに向けたペースが維持されたことに加え、この日の米企業決算(フォード・モーター、コーチ、ブラックストーン)が好調だったこと、一時2009年3月12日以来の低水準1バレル=43.58ドルまで下落する局面が見られたNY原油先物が反発したこと、そして新規失業保険申請件数が労働市場の改善傾向を示したことで、米国株式では主要3市場が揃って反発した。株高を背景に米金利への低下圧力も後退したことで、ドル円は118円ミドル手前まで上昇。ショートカバーの地合いが強まっていたユーロドルも1.13ミドルレベルでは再びドル買い優勢へと転じた。米ドルの総合的なトレンドを示すドルインデックスも陽線引けした。

昨日の外為市場で筆者の関心を惹いたのが、資源国通貨(AUD、NZD、CAD)の動向(下落)だった。中銀がハト派スタンスに傾いていることや不安定な商品相場の状況も鑑みるに、資源手国通貨が対ドルで軟調な地合いになるのは致し方ない。
ただ、グローバル株式市場でリスク回避ムードが徐々に後退しているタイミングにもかかわらず、対円でも上値の重い状況となっている資源国通貨の現状は、グローバル市場がリスク選好回帰にまだ時間と材料が必要であることを示唆している。ユーロ円やスイス円で下落圧力が強まる中、オセアニア通貨まで下値を模索する状況が継続すれば、ドル円も短期的に下値トライとなる可能性があろう。目先は117円台の維持が焦点だが、米株をはじめとしたグローバル株式市場が再び崩れた場合は、115円台への反落リスクを意識しておくべきだろう。

Today’s Outlook -最大の焦点は米GDP

今後の金融政策の方向性は指標データ次第(Data dependency)、というスタンスをイエレンFRBが改めて明確にした以上、マーケットは米経済指標に神経を尖らすだろう。実際、昨日の新規失業保険申請件数の好結果に米国マーケットは素直に反応している。

本日は米国の10-12月実質国内総生産(GDP)速報値が発表される。市場予想は前期比年率で+3.0%前後。予想以上の内容ならば、イエレンFRBの金融正常化に向けたスピードが維持されるとの思惑を背景に、米国マーケットは米金利の緩やかな上昇とドル買いで反応しよう。特に米ドル相場は対ユーロ、資源国(AUD、NZD、CAD)そして主要な新興国通貨(特に制裁強化観測が高まっているロシアルーブルやCOPOM議事録で短期的なインフレ低下リスクが指摘されたブラジルレアル)で堅調に推移しよう。

GDPが好調ならば、米株も素直に株高で反応する可能性が高い。ただ、株高の持続性には好調な企業決算も求められよう。シェブロン、マスターカード、ゼロックスといった本日の企業決算が総じて好調ならば、米株高維持を背景にドル円は下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」で指摘しているレジスタンスポイントを突破する可能性が高まろう。
逆に総じて振るわない企業決算となれば、好調なGDPの結果を相殺し反落する可能性があろう。この場合、ドル円の119.00レベルトライは来週以降に持越しとなろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.00:レジスタンスポイント 118.88:リトレースメント61.80%
サポート 117.00:サポートポイント 115.85:1月16日安値

引き続き中心レンジを117.00-119.00と想定。株高維持ならば21日MA(赤ライン)を突破し、リトレースメント61.80%の118.88レベルをトライする展開となろう。このテクニカルポイントを突破した場合は、119.00トライは時間の問題となろう。
尚、119.00にはオファー、上の水準にはストップが置かれている。ビッドは118.00、117.30-00レベルにそれぞれ観測されている。また、117.20下にはストップの観測あり。

ユーロドル

レジスタンス 1.1423:1月27日高値 1.1410:10日MA(29日現在)
サポート 1.1200:サポートポイント 1.1100:サポートポイント

日足の一目/転換線(赤ライン)突破に四苦八苦する状況が継続している。すぐ上に10日MA(緑ライン)が控えていること、1.13後半から1.1400にかけて断続的にオファーが並んでいることも考えるならば、本日も上値余地は限定的だろう。ユーロ圏消費者物価指数(HICP)が下振れ、米GDPが予想以上となれば、再び1.11トライの展開を想定したい。
尚、昨日と同じく1.1220及び1.1200にはビッドが観測されている。

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