焦点はイエレンFRBのメインシナリオ

アナリストの視点-混迷深めるギリシャ情勢

イエレンFRB議長

16日の海外外為市場は、ユーロ売り優勢の展開となった。18日にユーロ圏(EU)財務相会合を控える中、ギリシャのチプラス首相は国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)を非難し対決姿勢を鮮明にした。混迷深めるギリシャ情勢が嫌気されユーロ相場は総じて上値の重い展開に。EUR/USDは欧州タイム序盤に1.1330レベルまで上昇後、1.1205レベルまで急落。EUR/JPYは欧州タイム序盤に140.00へ到達する局面が見られるも、その後138.25レベルまでユーロ売りが進行した。

混迷するギリシャ情勢が欧州投資家のリスク許容度を縮小させ、直近の独金利は低下基調を辿っている。独金利の低下はEUR/USDのレジスト要因となり、直近は1.13前後で上値の重い状況が続いている。16日の欧州株式は反発したものの、上値トライが限定的だった点を考えるならば、18日のEU財務相会合に向け欧州マーケットとユーロ相場は不安定な状況が続くことが想定される。

このような状況の中、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、9月利上げがイエレンFRB内のメインシナリオとして設定されていることが判明した場合、欧州マーケットは「ギリシャリスク+米金利変動リスク」を背景に株安と独金利への低下圧力がさらに増すことが想定される。そのような展開となれば、EUR/USDは目先のサポートポイント1.1140レベルを下方ブレイクし、日足の一目/雲の攻防へシフトするだろう。

本日の焦点-イエレンFRBのメインシナリオは?

アジア/欧州時間のグローバル市場は米FOMCを見極めたいとの思惑から、狭いレンジ内で推移しよう。そのFOMCだが、最大の焦点は9月利上げの有無にあろう。
前回の利上げ時(2004年6月)を振り返ると、2004年1月28日のFOMC声明で「相当期間 (Considerable period)」 が「忍耐強くなれる(Patient)」に変更され、同年5月4日の会合で「忍耐強くなれる(Patient)」から「利上げのペースをゆっくりとする(Measured pace)方針」が示された。そして実際に0.25%ずつの利上げが開始されたのが、同年6月30日の会合だった。
今年3月の会合までイエレンFRBは2004年当時の利上げプロセスを踏襲している。既に「忍耐強くなれる(Patient)」という文言が削除されていること、そしてイエレンFRBが9月利上げをメインシナリオと考えているならば、今回のFOMC声明で米経済の回復に自信を示すと同時に利上げペースに関する新たな文言を盛り込んでくる可能性がある。また、会合後のイエレン会見や最新の経済見通し(SEP:Summary of Economic Projections)では、インフレ見通しを上方修正してくる可能性があろう(利上げの最大のハードルとなっているのが低インフレ状態であるため)。タカ派色の強いFOMCとなれば、米金利の上昇圧力が強まると同時に外為市場ではドル高圧力も強まろう。注視すべきは米株の動向だろう。「緩和マネー依存症」を克服しきれていない米株が崩れた場合、その影響が新興国市場へも波及することで新興国通貨売りが加速する展開が想定される。円相場は「USD/JPY上昇 / クロス円下落」の展開が想定される。

逆に、一部のエコノミストが指摘する通り、イエレンFRBが米国外の先行き不透明感を背景に9月利上げはおろか、年内利上げすらメインシナリオとして設定していないことが判明すれば、米国マーケットは「株高/金利低下」で反応しよう。外為市場ではドル全面安となることで、円相場でのクロス円上昇を誘発しよう。

尚、直近のFF金利先物市場の9月利上げ確率は25%前後となっている。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.86:6/5高値 125.00:レンジの上限
サポート 122.45:6/10安値 122.00:リトレースメント38.20%&レンジの下限

本日はFOMC後、122.00-125.00のレンジ相場をブレイクするかが焦点となろう。上限ブレイクとなれば、短期的に125.86トライの展開が想定される。現在は、10日MA(緑ライン)&21日MA(赤ライン)での神経戦が継続中。
尚、直近のオーダー状況だが123.80、124.00前後、124.50前後そして124.80にはそれぞれオファーの観測あり。ビッドは123.00、122.80、122.50、122.00に観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1400:レジスタンスポイント 1.1300:レジスタンスポイント
サポート 1.1143:一目/基準線(赤ライン) 1.1100:サポートポイント

1.1400の上方ブレイクか1.1140の下方ブレイクか、本日はこの点に注目したい。動きが出るならやはり米FOMC後だろう。1.1400ブレイクならば5月15日高値1.1467レベルが次のターゲットとして浮上しよう。逆に短期サポートラインを下方ブレイクするならば、日足の一目/基準線と21日MAが密集している1.1140-30ゾーントライ、このサポートポイントをも破る展開となれば、日足の一目/雲の攻防へとシフトしよう。

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