焦点はイエレンFRB議長の講演内容に

Market Overview-FOMC議事録はタカ派サプライズ

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20日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が予想外にタカ派的なトーンだったとマーケットで捉えられたことで、米債券市場では中短期ゾーンを中心に上昇圧力が強まった。米金利の上昇はドル高圧力を強め、ユーロドルは1.3255レベルまで急落。一方、ドル円は103.85レベルまで急伸する等、昨日の外為市場はドル全面高となった。

連邦準備制度理事会(FRB)が20日に公表したFOMC議事録(7月29-30日開催)によれば、「多くの参加者は労働市場とインフレ率が、今後数か月の間にFOMCが定める長期目標に向け予想以上のペースで収束に向かう場合」は、「現在想定されているよりも早期に緩和政策を転換することが適切(it might become appropriate to begin removing monetary policy accommodation sooner than they currently anticipated)」と指摘。また、FRBがインフレ指標として注視しているPCEに関しても「Real personal consumption expenditures (PCE) rose more quickly in the second quarter than in the first」とし、景気回復に伴い上昇基調にある点にも言及した。

ただ、早期引き締めはあくまでも条件付きであり、且つ労働市場の「たるみ」への懸念も引き続き議論されている点も鑑みるに、早期利上げ観測がさらに強まるかどうかは、ジャクソンホールで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(21-23日)でのイエレン議長による基調講演(NY時間22日午前10時)の内容次第だろう。

イエレン議長自らタカ派スタンスへの転換を示唆する場合、最大の焦点は米国株式市場の動向だろう。ダウ工業株30種平均は7月28日以来、約3週ぶりの高値水準まで上昇し、S&P500種株価指数に至っては一時1988.57と、終値ベースの最高値1987.98を上回る局面が見られる等、再び騰勢が強まっている。米株が再び反転している根底には2つの期待、つまり米ファンダメンタルズの改善期待と超低金利政策の長期化期待がある。しかし、イエレン議長がタカ派スタンスへと転換した場合、後者の期待が急速に後退しよう。それは、緩和中毒から脱し切れていない現在の米国株式の下落要因となろう。リスク選好の先導役である米株の下落はグローバル株式市場の不安定化をもたらし、外為市場ではリスクオフのドル&円全面高となろう。尚、ドル円は軟調な株式市場を背景に円高圧力が勝る展開を想定したい。

一方、イエレン議長が雇用重視のハト派としての面目を躍如するならば、株高のみのリスク選好トレンドとなることで、ドル高は小休止となろう。対照的に資源国通貨や新興国通は、対ドルでショートカバーの展開となろう。

Today’s Outlook -経済指標にらみの一日

本日は、経済指標にらみの一日となろう。アジア時間は中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(8月、PMI)速報値と豪ドル相場の動向に注視したい。ドル高圧力が強まる中、市場予想を下回る内容となれば、豪ドル/米ドルはさらに下値を模索する展開となろう。

欧州時間は、ユーロ圏及び各国の製造業&サービス部門購買担当者景気指数(8月、PMI)速報値に注目したい。市場予想を下回る内容は、さらなるユーロ売りを誘発しよう。一方、堅調な内容ならばショートカバーの要因となろう。

NY時間は、各種米経済指標に注目したい。総じて強い内容となれば、米金利への上昇圧力が強まり、ドル相場を支援しよう。逆に総じて弱い内容ならば、イエレン議長による基調講演を前にドルロングを調整する動きが強まろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 104.13:4月4日高値 104.00:レジスタンスポイント
サポート 103.00:サポートポイント 102.90:8月20日安値

103.10レベルを完全に突破したことで、新たなレンジへと突入。21日MA(赤ライン)が200日MA(黄ライン)を上方ブレイクするゴールデンクロスも確認された現状を考えるなら、引き続き上値トライの展開を想定すべきだろう。よって、次の焦点は4月4日高値104.13レベルの突破となろう。一方、下値は103円台の維持が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、104.00にはオファーとオプションバリアが観測されている。ビッドは102.70以下より断続的に観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3349:10日MA 1.3300:レジスタンスポイント
サポート 1.3249:リトレースメント38.20% 1.3200:サポートポイント

ついに1.32台の攻防へとシフト。目先の焦点は1.3250レベルの維持だが、このサポートポイントをも下方ブレイクする展開は、1.3200トライの可能性を高めよう。一方、上値は1.33台への再上昇が目先の焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、1.3350レベルにはオファーが観測されている。1.3250、1.3230レベルには厚いビッドが観測されている。1.3200にもビッドの観測あり。

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