引締めに向かってアクセルを踏み続けるイエレンFRB

Market Overview-米利上げペースに変化なし

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米連邦準備理事会(FRB)が28日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、米経済の回復と労働市場の持続的な改善に強気の見方を示すと同時に、利上げに向け「忍耐強くなれる(be patient)」との表現を引き続き盛り込んだ。また、超低金利政策を「相当な期間(considerable time)」維持するという表現は削除した。今回の声明はイエレンFRBが金融正常化(利上げ)に向けアクセルを踏み続けることを示唆した内容となっており、外為市場がドル買いで反応したのは至極当然と言える。

今後、米経済に対するリスク要因として認識しておくべきは、声明文でも指摘している短期的な物価上昇(インフレ)率の低下と国際情勢だろう。前者に関しては、米金利の低空飛行を促し且つドル売り要因ともなろう。その(インフレ率低下の)最大の要因はやはり原油安だろう。だが、中長期的にはそれ(原油安)による家計所得の増加と個人消費の拡大を促そう。それらに伴い労働市場も継続的に改善することでインフレ率は自然と上昇しよう。

よって、6月利上げに黄色信号が灯るとすれば、それは後者に因るものとなろう。今回の声明文では新たに「international developments」という文言が追加された。そして「if incoming information indicates faster progress toward the Committee’s employment and inflation objectives than the Committee now expects, then increases in the target range for the federal funds rate are likely to occur sooner than currently anticipated.  Conversely, if progress proves slower than expected, then increases in the target range are likely to occur later than currently anticipated」と、引き続きData dependencyのスタンス維持を表明している点を鑑みるに、昨今のユーロ圏及び新興国経済の低迷、そしてロシアや中東の地政学リスクといった国際情勢(international developments)が米国経済の成長の阻害要因となっていることが実際の指標データで確認されれば、イエレンFRBは躊躇なく6月利上げを先延ばしするだろう。目先は30日に発表される10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値が注目される。


Today’s Outlook -米指標データと株式動向を注視

28日の米国株式はFOMC声明を受け、主要3市場が揃って続落。米株の続落は投資家のリスクセンチメントを後退させ、新興国株式は総じて軟調な地合いに。欧州株式も欧州中央銀行(ECB)理事会前後の強さは見られない。よって、本日の国内株式は上値の重い展開が想定される。円相場ではクロス円を中心とした円高リスクに警戒したい。特に上値の重さが目立つユーロ円の動向には要注意。また、早朝のニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明内容(通貨高けん制、引締めバイアス後退)を受け下落圧力が強まっているNZD円も円高をけん引する可能性がある。
海外時間は、米国の新規失業保険申請件数が焦点となろう。労働市場の改善傾向が示されれば、上述したData dependencyの観点から対ユーロや新興国通貨でドル買い圧力が強まることが想定される。
円相場は米株の動向次第だろう。米企業決算は強弱まちまちの内容が続いている。指標データが良くても、アマゾンやフォードといった企業決算が総じて冴えない内容となれば、米株続落そして円買い優勢の展開が想定される。ドル円は117円トライとなる可能性があろう。その他のチャートポイントに関しては下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」を参照されたし。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 118.88:リトレースメント61.80% 118.46:21日MA(28日現在)
サポート 117.00:サポートポイント 115.85:1月16日安値

グローバル株式市場に左右される状況が継続しよう。不安定な米株の状況を考えるならば、引き続き円高リスクを警戒したい。焦点は117円台の維持だが、下方ブレイクした場合は115.85レベルを視野に下落幅が拡大しよう。116円台のサポートポイントはビッドが観測されている116.90、116.50そして116.00レベルとなろう。一方、上値は21日MA(赤ライン)の突破が焦点となろう。118.30-40及び119.00にはそれぞれオファーが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1500:レジスタンスポイント 1.1441:10日MA(28日現在)
サポート 1.1200:サポートポイント 1.1100:サポートポイント

日足の一目/転換線(赤ライン)突破に四苦八苦しているが、すぐ上に10日MA(緑ライン)が控えていること、1.1400のオファーの存在も考えるならば上値余地は限定的だろう。FOMC声明後、再びドル買い圧力が強まっている事実を考えるならば、本日はダウインサイドへ振れる展開を想定したい。目先の焦点は1.11台の維持だろう。尚、1.1220及び1.1200にはビッドが観測されている。

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