市場の焦点は来週のFOMCへシフト

Market Overview

8日の海外外為市場は、ユーロ相場が上下に振れる展開となった。注目されたECBイベントだったが、現行の量的緩和政策の期間延長と買入れ額の減額という玉虫色の内容に対し、ファーストリアクションはユーロ買い。高値1.0874レベルまで急伸する局面が見られた。しかし、ドラギ会見で緩和縮小(テーパリング)の議論がなされなかったことが判明するとユーロ安基調が鮮明となり、ユーロドルは1.06レベルを割り込む局面が散見された。ユーロ円もユーロドルの動きに追随し121円割れ。ただ、この日の欧米株式が続伸した影響もあり10日MAでかろうじてサポートされた。株高維持とそれに伴う米金利の反発を背景に、ドル円は114円を挟んでの展開が終始継続した。他の市場動向だが、ドラギECBによる量的緩和の期間延長が好感され欧州株式は続伸。欧州株高の影響は米国株式にも波及し、主要3市場がそろって最高値を更新する展開となった。米金利は株高に追随し反発。米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは2.427%と、今月5日以来の水準まで反発する局面が見られた。NY原油先物相場(1月限)は、米経済の回復や世界的なリスク選好が好感され前日比+2.00%以上の反発となった。

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Analyst's view

注目されたECBイベントだったが、内容をまとめると以下の通り。直後のユーロ相場は、①のユーロ売り要因と②のユーロ買い要因がせめぎ合う局面が見られた。しかしそれは短時間で終息。その後は、④と⑤が意識されユーロ売りが鮮明となった点を鑑みるならば、市場の耳目が緩和縮小(テーパリング)の有無に集中していたことを示唆している。

ECBイベント
①量的緩和の延長期間 市場予想の6ヶ月を超える9ヵ月(2017年末まで)
②債券買入れ額 月額800億ユーロから600億ユーロへ減額
③政策金利 主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.04%にそれぞれ据え置き
④緩和縮小の議論 今回の会合ではなし
⑤今後の展望 情勢次第で緩和政策の期間延長や規模拡大を実施する方針
⑥成長リスク リスクは引き続き下方向に傾いている


枯渇しつつある買入れ対象の国債(特にドイツ連邦債)、欧州政治リスクそして米経済政策の不透明感等、総合的に勘案した結果の玉虫色の内容となったECBイベントだったが、最も注視すべきは今回の会合がトランプラリー(=米ドル高 / 株高)を転換させるインパクトが無かった点だろう。事実、欧米株式は続伸し、外為市場では米ドル相場の方向性を示すドルインデックスが101.25レベルまで急反発した。
ECBイベントを消化した今、市場の焦点は今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)へシフトしよう。ただ、その間、トランプラリーを阻害するリスクイベントはない。よって、株高維持を想定し、ドル円は目先のレジスタンスポイントである115.00トライを常に意識したい。本日もこのレベルにはオファーとオプションバリアが観測されている。一方、下値の焦点は、米大統領選挙後、相場をサポートし続けている10日MAの攻防が焦点となろう。ただ、このMAを下方ブレイクしても113円台は維持する公算が高い。一方、ユーロドルは1.05-1.08のレンジを想定しながらも、米欧金利差が再び拡大する可能性がある点を考えるならば(比較チャート参照)、1.05の再トライを警戒すべきフェーズへ転じている。上値は、ローソク足の実体ベースでレジストされ続けている1.0760レベルまでの反発を想定したい。


【比較チャート:ユーロドルと米独利回り格差】

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