焦点はFOMCだけにあらず

Market Overview

15日の海外市場はリスク回避優勢の展開となった。主要産油国による増産凍結合意への不透明感を背景に原油価格は続落。また、連邦公開市場委員会(FOMC)を直前に控えているタイミングで発表された米小売売上高(2月分)が2ヶ月連続の減少となったことが株式市場の重石となった。これら市場の動向を背景に海外外為市場では資源国&新興国通貨売り優勢の展開となった。3月以降、ショートカバーが続いたブラジルレアルはここ2日で6%以上下落(対ドル)した。一方、円相場は総じて円高優勢の展開となった。日銀が現行の金融政策を維持することを確認した後、欧州勢は円買いで参入。また、FOMCを前にドルショートカバーも継続したことでクロス円主導で円高圧力が強まった。ドル円(USD/JPY)も追随しNYタイム序盤に112.63レベルまで下落する局面が見られた。

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Analyst's view

グローバル市場のトレンド決定要因である原油価格(WTI)は、標準誤差回帰分析バンドの上限(チャート参照)で上値がレジストされる状況が継続中。その要因が産油国間における足並みの乱れ(イランを巡る問題)であるならば、減産合意はおろか増産凍結合意への不透明感もさらに強まろう。この懸念が市場で共有されれば、1バレル=40ドルが目先のレンジの上限として今後意識される可能性が高まろう。原油価格の上昇が打ち止めとなれば、グローバル株式市場での再不安定化が懸念される。両市場でのリスク選好回帰ムードが後退すれば、外為市場ではこれまでとは逆に資源国&新興国通貨売り圧力が強まることが想定される。対照的に円&ユーロ買い圧力が強まろう。だが、各市場がそのようなトレンドへ転換すると判断すのは早計だろう。FOMC前に外為市場でドルのショートカバーの圧力が強まっている点を考えるならば、直近のWTI続落は上昇一辺倒後の調整売りの可能性も残されているからだ。

年明け以降、原油価格以外でグローバル市場のトレンド決定要因となっているのが米国の景気動向だが、小売売上高は1月分が大きく下方修正(前月比0.2%→同-0.4%)されたことで、2ヶ月連続でマイナスとなった。また、同月の卸売物価コア指数(PPI、食品・エネルギー除く)も低下した(前月比0.4%→同0.0%)。3月のNY連銀製造業景気指数が0.62と前回(-16.64)から大幅に改善されたことは製造業の回復期待を思わせるが、年明け以降からの強弱入り乱れる指標データは、イエレンFRBが金融政策の舵とりを誤れば、成長スピードが鈍化する可能性を示唆している。

このような状況の中では、今回の会合は「ハト派のFOMC」となる可能性が高い。ただ、それがリスク選好回帰トレンドの継続を保証するものでないことは、14日のレポートでも指摘した通り。米指標データ次第では金融引締め懸念の後退よりも経済の先行き不透明感の方が強く意識される可能性が出てくるからだ。本日発表される重要指標データが総じて市場予想を下回るようならば、リスク回避優勢の展開(=株安・米金利低下・商品安・円&ユーロ高)を警戒したい。

【WTI日足チャート】標準誤差回帰分析バンド

原油チャート

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