市場の耳目はECB理事会に

Market Overview

6日の海外外為市場では明確な方向感は見られず、売り買い交錯の展開となった。この日の海外株式市場が総じて堅調に推移したことでドル円は114円を挟んでレンジ相場が終始継続。一方、ユーロドルは、8日のECB理事会での緩和強化(=期間延長)観測が意識され1.08突破に失敗すると、21日MA(1.0699レベル)までユーロ安が進行した。ユーロ安は米ドル相場のサポート要因となり、ドルインデックスは反発。ただ、米金利の上昇に陰りが見え始めていることもあり、上昇幅は限定的となった。

NY原油先物相場(WTI1月限)は、減産合意後の過熱感もありこの日は反落。ただ、終値ベースで50ドルの大台は維持した。CRB指数も小反落した。ドル買い圧力の後退と国際商品市況の軟調地合いが交錯し、資源国&新興国通貨は強弱まちまちの展開となった(対ドルでブラジルレアル、チリペソは上昇 / 豪ドル、ノルウェークローネ、カナダドルは下落)。

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Analyst's view

相変わらず米国市場では株高と米金利上昇の「共存関係」が継続中。ただ、米独長期金利各差(=10年債利回り格差)を確認すると11月28日を境に拡大傾向から縮小傾向へ転じていることがわかる。その結果、ユーロドルは1.05を堅持し1.08レベル手前まで反発した。


注目すべきは、米独金利差の縮小にあろう。これまで米ドル高を牽引してきたのは米金利の上昇だった。直近の独10年債利回りは0.4%レベルで頭打ち状態が続いている。この事実を考えるならば、米独長期金利格差が縮小傾向に転じている主因は、米金利の上昇圧力後退にあろう。そして金利差縮小と前後してドルインデックスが反落している事実は、米ドル相場と米金利の相関性が未だ高いことを意味している。よって、米金利の上昇圧力が後退しつつある現状は、トランプラリーの米ドル高がひとまず終息する可能性が高まっていることを示唆している。
ドルインデックスのさらなる下値トライは6日のレポート「ユーロ相場が示す市場の焦点」で指摘した通り、ドラギ総裁の緩和縮小(=テーパリング)シグナルの有無次第となろう。ECBイベントが緩和強化のみに終わるならば、ユーロ売りを背景としたドル買いにより米ドル相場は再び押し上げられよう。ただ、米金利の上昇圧力が後退している点を考えるならば、第2弾のトランプラリーが発生する可能性は低い。一方、テーパリングシグナルを発信してくれば、市場はそちらの方に強く反応し、ユーロ買い圧力が強まろう。それは米ドル売り圧力を強めることを意味する。本日はECB理事会前ということもあり、外為市場は昨日同様、売り買い交錯のレンジ相場となる可能性があろう。

ドル円は引き続き株式動向次第だろう。米ドル高圧力は後退しているものの114円を挟んだ展開となっている主因は、日米の株高維持にある。言い換えれば、株高という土台が崩れればドル円相場の調整圧力(=下落圧力)がいつ強まってもおかしくない状況にある。ECB理事会というリスクイベントを前に欧州株式で利益確定売り優勢の展開となれば、その影響が米国株式にも波及しサポートラインとして機能している10日MAを下方ブレイクする展開が想定される。ただ、調整の株安程度ならばビッドが観測されている112.50レベルは維持する可能性が高い。一方、上値はオファーとオプションバリアが観測されている115.00レベルで上値がレジストされる展開が想定される。

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