ドラギECBが打ち出す緩和強化策に注目

Market Overview

9日の海外市場は、リスク選好優勢の展開となった。欧州株式はドラギECBによる緩和強化期待を背景に、米国株式は原油価格の反発を背景にそれぞれの主要株価指数が上昇。一方、外為市場では「原油&株式反発」を背景に資源国通貨買い圧力が再び強まる展開に。対照的に円相場は円売り優勢の展開となった。欧州タイム序盤に112.20台まで下落したドル円(USD/JPY)は113.45レベルまで反発。クロス円も同様の展開となった。ただ、本日早朝のニュージーランドドル / 円(NZD/JPY)は、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)による予想外の利下げ(2.50%→2.25%)を受け急落(NZD/JPYは77円レベルから75.8レベルまで急落)。声明文における厳しいインフレ見通しや追加の利下げ示唆もNZD売り圧力を強めた。

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Analyst's view

原油価格(WTI)は38ドルレベル(テクニカル面では標準誤差回帰分析バンドの上限)で神経戦が継続中(チャート参照)。興味深いことに国際商品市況のトレンドを示すCRB指数も89日MAでの攻防となっている(チャート参照)。WTIやCRB指数がこれらテクニカルを突破した場合、グローバル株式の反発基調継続も想定される。この場合、外為市場では資源国&新興国通貨買い圧力がさらに強まろう。対照的に円相場ではクロス円を中心に円安圧力が強まることが想定される。直近の動向から、現在のリスク選好は高リスク通貨買いの圧力を受けドル相場の上値を圧迫している。このためUSD/JPYは「クロス円の上昇 vs ドル売り」のせめぎ合いとなり、111.00-115.00のレンジ相場が継続すると想定される。

 

国際商品市況全体が上記のテクニカルポイントを突破できるかどうか、本日この鍵を握るのが欧州中央銀行(ECB)理事会だろう。市場では預金ファシリティ金利の10bp引き下げは既に織り込みずみ(現在マイナス0.3%)。金融セクターへの影響を考えるならば、段階的な引き下げが想定されることから10bp以上のマイナス幅拡大の可能性は低い。よって、市場が注視するのはQEの拡充をセットで打ち出してくるかどうかだろう。ただ、この点については反対派の急先鋒であるドイツサイドの抵抗が予想される。QEの拡充が市場の期待にそぐわないようであれば、これまでの反動からユーロ相場は急伸する可能性があろう。また、欧州株式市場の急落も想定される。この場合、米国株式の下落と国際商品市況の反落も誘発することから、外為市場ではリスク回避のユーロ高&円高の展開となろう。
一方、大幅なQEの拡充(例えば期間の延長が6ヶ月以上、月次買い入れ額の増額幅が最大100億ユーロ以上)に踏み切れば欧州株式は素直に株高で反応する可能性が高い。その影響が米国株式にも波及することで、外為市場では「緩和強化+リスク選好」を背景にユーロ売り圧力が最も強まろう。同時に円相場も円安優勢で推移しよう。一方、国際商品市況は上記のテクニカルを突破する展開が想定される。よって、「株高+商品高」を背景に最も選好されるのは資源国&新興国通貨ということになろう。


【WTI日足チャート】標準誤差回帰分析バンド

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【CRB指数日足チャート】89日移動平均線(MA、青ライン)

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