ドラギECBのスタンスと欧州市場の動向

アナリストコメント-ECBと日銀

ドラギECB総裁

21日の海外株式市場は強弱まちまちの展開となった。主要な欧州株式は欧州中央銀行(ECB)による緩和強化観測を背景に底堅く推移。一方、米国株式は商品相場の下落を背景に終盤にかけ下げ幅を拡大した。
外為市場はドル買い優勢の展開に。米株安を受け金利には低下圧力が強まったが、ECBによる緩和強化観測を背景に米独利回りスプレッドは20日以降拡大傾向あり、EUR/USDはドル買い優勢。1.13ミドル割れでNYクローズを迎えた。一方、USD/JPYは120円台を回復する局面が散見された。資源国通貨は商品市況の軟調地合いを背景に売り優勢の展開に。カナダ中銀(BOC)が声明で将来の成長率を下方修正したこともあり、カナダドルは対ドルで5日以来となる1.3140台(高値1.3142)まで急落。対円では2日以来となる91円割れの局面が見られた。

ECBによる緩和強化が意識され「株高 / ユーロ安 / 独金利の低空飛行」状態となっている欧州市場だが、直近の緩和強化に関するECBの要人発言が賛否両論となっている点を考えるならば、本日の理事会では現行の政策を変更してくる可能性は低い。だが、9月消費者物価指数(HICP)総合が前年比で-0.1%(コアで同+0.9%)と低迷し続けている状況と原油市場での上値の重さを考えるならば、コア・インフレ率がインフレ目標に到達するにはさらなるECBのサポートが必要だろう。よって、理事会後の会見でドラギ総裁が、年内の緩和強化(債券購入額の拡大 / 期間延長)について言及してくる可能性があろう。

世界的に緩和レースが激化する中、ECBがさらに緩和のアクセルを踏み込む姿勢を示した場合、追い詰められるのは黒田日銀だろう。海外では4つのリスク要因(米金融引締め / ドル高 / 中国の景気減速 / 資源価格の低迷)がくすぶり続け、これらが及ぼすネガティブインパクトにより直近の消費者物価指数や鉱工業生産確報値は、「異次元緩和」導入前後の水準に逆戻りする状況となっている。これらの状況を踏まえて尚、来週30日の金融政策決定会合で「無回答」となれば、これまで講じてきた政策の整合性に疑問符が付き「異次元緩和」の優勢性はさらに後退しよう。また、10月初旬のリスク選好ムードが徐々に後退していることも考えるならば、10月は最後まで円高リスクに注視する必要があろう。

本日の焦点-ドラギECBのスタンスと欧州市場の動向

本日の焦点は欧州にあろう。上記の通り今回のECB理事会で政策変更の可能性は低い。よって、焦点はドラギ総裁が年内の緩和強化に言及するかどうかだろう。この点について言及してきた場合、欧州市場は「株高・ユーロ安・独金利低下(債券高)」で反応しよう。欧州株高は米株高とそれに伴う米金利の反発要因となる可能性がある。外為市場ではドルが対ユーロ&円で上値トライの展開となろう。ドル相場以上に買い圧力が強まる可能性があるのが資源国通貨だろう。ECBの緩和マネー流入期待を背景に商品市況が堅調に推移すれば、資源国通貨への買い圧力が強まろう。

逆にドラギ総裁が年内の緩和強化について何ら言及しない場合は、失望から欧州市場を震源地としたリスク回避トレンドが発生する可能性がある。この場合、外為市場ではユーロ&円買い優勢の展開を想定したい。チャートポイントについては下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.57:10/6高値 120.35:一目/雲の下限
サポート 119.65:一目/基準線(青ライン) 119.16:一目/転換線(黄ライン)

短期レジスタンスラインの突破に成功するも120円台の維持には失敗。本日も引き続き21日MA(赤ライン)の攻防を注視したい。他のチャートポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが、120.20から120.50にかけて断続的にオファーが並んでいる。一方、ビッドは119.50、119.30前後及び119.00前後にそれぞれ観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1450:レジスタンスポイント 1.1400:レジスタンスポイント
サポート 1.1300:一目/基準線(青ライン) 1.1260:短期サポートライン

焦点は引き続き1.13-1.15のレンジ相場の形勢にある。チャートポイントは上記の通り。尚、直近のオーダー状況だが1.1390から1.1470レベルまで断続的にオファーが並んでいる。
一方、ビッドは日足の一目/基準線が推移している1.1300及び短期サポートライン前後に観測あり。

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