トレンド決定要因は「BREXIT」からドル相場へ

Market Overview

6月30日の海外外為市場は、欧州通貨売りの展開となった。イングランド銀行(英中銀、BOE)のカーニー総裁は30日の講演で今夏の金融緩和の必要性について言及。この発言を受けポンドは対ドルで1.3200レベルまで下落した。対円でも136円割れの局面が見られた(Low:135.90)。ユーロも追随し、ユーロドル(EUR/USD)は一時1.10ミドル割れの局面が見られた(Low:1.1024)。
欧州通貨売りの受け皿となったのが、米ドルだった。ドルインデックスは3日ぶりに反発。しかし直近の米指標データは、FEDの早期利上げを証明するほど良好ではないため、引き続き200日MA手前で上値がレジストされた。資源国通貨もユーロ売りの受け皿となったものの、この日の国際商品市況が反落したことで上昇幅は限定的だった。

欧米株式はBOEの金融緩和期待を背景に続伸。堅調な株式動向は円売り圧力を強め、ポンド円(GBP/JPY)以外は総じて上値トライの展開となった。ドル円(USD/JPY)は103円台の再上昇に成功。本日早朝には103.40レベルまで円安が進行する局面が見られた。

米金利は、株高よりもBOEの金融緩和期待と原油価格反落の方に反応し、各ゾーンで低下した。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは、再び0.60%割れの展開となった(Low:0.582%)。

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Analyst's view

今週に入り主要な欧州株式市場は軒並み上昇している。トップはスペインIBEXの+4.72%。次いで仏CAC40と英国FTSE100となっている。(+3.07%)これら株価指数の反発に加え、イベントリスクに敏感なVIX指数が15ポイント台まで急低下している状況も考えるならば、「BREXITショック」が既に過去のイベントとして消化されていることがわかる。

①スペインの選挙、②BOEの金融緩和期待、そして③ドル安再燃が「BREXITショック」終息の要因と考えらえる。②については6月27日のレポートで指摘済み。想定通りカーニー総裁が早速金融緩和の必要性を示唆してきた。時期が今夏という点に、9月の新首相選任とそれに伴うEU離脱交渉を意識し、先手を打っておきたいとの思惑が垣間見れる。これらイベントに加え、10月にはイタリアで緊縮政策の是非を問う国民投票が実施される。市場の動向次第でBOEは年内に2回の金融緩和策を打ち出してくる可能性があろう。このため年後半のポンド相場は下落基調を辿るだろう。対ドルでは節目の1.30下方ブレイクを常に想定したい。

BOEの金融緩和期待は株式市場のサポート要因である。しかしそれは一過性の効果しか期待できない。持続的にグローバル市場がリスク選好トレンドを形成するためには③が重要であることは指摘済み。目下、米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは200日MAで上値がレジストされている(下図チャート参照)。ドル買いではなく、欧州通貨売りの受け皿という受動的な状況がこの状況を作り出しているわけだが、本日のISM製造業景況指数(6月)や雇用統計(同月)が市場予想以上の内容となれば、「受動的なドル高」から「米利上げを意識したドル高」へ転換する可能性がある。このドル高への転換は株式市場の圧迫要因となろう。円相場では、再び円高圧力が強まろう。


【ドルインデックス日足チャート】 青ライン:200日MA

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