リスク許容度を大きく変動させる2つのシナリオ

アナリストの視点-リスク許容度を大きく変動させる2つのシナリオ

イエレンFRB議長

16日の海外株式市場はリスク選好優勢の展開となった。アジア株式が総じて堅調に推移したことを好感し(特に上海株式が引けにかけて前日比+5.0%近く上昇したことを好感し)、欧米株式もリスク選好優勢の展開に。原油価格も急伸したことで外為市場では資源国通貨が堅調に推移。一方、円相場は円安優勢の展開となった。中でもGBP/JPYは良好な英雇用統計の結果を受け、184円台から187円台へと急伸(高値187.20)。対ドルでも8月26日以来となる水準(1.5520台)までポンド高が進行した(高値1.5528)。オセアニア時間では、市場予想を下回った4-6月期のNZ国内総生産(予想:0.6% / 結果:0.4%)を受けNZD売りが強まった以外は目立った値動きも見られず、本日の東京時間を迎えている。

現在、株式市場では米利上げに対する耐性が未だ不十分な状況が続いている。このような状況下、本日の連邦公開市場委員会(FOMC)で投資家のリスク許容度を急速に縮小させるリスクシナリオー それは「利上げ+タカ派声明文(=継続的な利上げの示唆)」のケースだろう。確率としてはかなり低いが、今会合が予想外にも上記の結果となれば「米金利急騰→グローバル株式総崩れ+商品市況低迷」の展開となろう。外為市場ではドル相場が対資源国通貨や新興国通貨を中心に急進しよう。対円でも目先のレジスタンスである122.00前後を瞬間的にトライする可能性がある。
しかし、株式市場における米利上げへの耐性が不十分なままでのタカ派スタンス表明は、投資家のリスク許容度を急速に縮小させることから米国債券への資金シフトを促すことになろう。「株安+米金利低下」を背景に、ドル高は一過性に終わる展開が想定される。その後は株式市場の不安定な状態と商品市況の低迷を背景に「ドル&資源国&新興国通貨売り / 円&ユーロ買い」の展開が想定される。

一方、現在の相場環境(=米利上げへの耐性が不十分な環境)において、投資家のリスク許容度を急速に拡大させるベストシナリオは「利上げ見送り+ハト派声明文(=海外リスクを意識した年内利上げ見送りシグナル)」となった場合だろう。この場合、年内利上げ観測が急速に後退することでグローバル市場は「株高オンリーのリスク選好」の相場環境となろう。過去の経緯を振り返ると、この環境下での外為市場ではドル&円安が進行すると同時に、「株高+商品市況上昇」を背景に資源国通貨及び新興国通貨買いが強まるパターンがみられる。円相場はクロス円を中心に円安優勢の展開となろう。USD/JPYは「株高圧力(=クロス円での円安圧力) / 米金利低下圧力」に挟まれ、レンジ相場(116.00-122.00)となる可能性があろう。

本日の焦点-FOMC後のドル売りを警戒

本日は、FOMCの内容が判明するまで各市場はレンジ相場で推移する可能性が高い。直近の株高傾向を考えるならば、アジア&欧州株式はFOMC前に調整売りが強まる可能性がある。その場合、円相場でも調整の円高圧力が強まるだろう。ただ、リスクセンチメントが改善傾向にある中ではドル円 / クロス円共に下値は限られよう。
FOMCに関する焦点は既に既述済み。USD/JPY及びEUR/USDに関する上下のチャートポイントは下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.00:レンジ上限 121.82:リトレースメント61.80%
サポート 119.00:サポートポイント 118.40:レンジ下限

FOMC後、118.40-122.00のレンジを維持するか、どちらかにブレイクするかが最大の焦点となろう。レンジ内におけるテクニカルポイントだが上限は200日MA(120.86、青ライン)及びリトレースメント61.80%(121.82)、下限は一目/転換線(120.07、黄ライン)及び短期サポートライン(119.60前後)となろう。
尚、直近のオーダー状況だが121.00、121.50及び122.00にはオファーが観測されている。ビッドは120.00、119.50-25及び119.00に観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1401:リトレースメント50.00% 1.1305:トライアングル上限
サポート 1.1254:10日MA 1.1200:トライアングル下限

目先はトライアングルの突破が焦点。上限をブレイクした場合は、日足の一目/基準線(1.1366、黄ライン)及びリトレースメント50.00%を視野に上昇幅が拡大する展開を想定したい。下限ブレイクとなれば、日足の一目/雲の上限を再び視野に下落幅が拡大する可能性があろう。下限トライの前に、10日MA(青ライン)での攻防にも注目したい。
尚、直近のオーダー状況だが1.13ミドル及び1.1400にはオファー、1.1200、1.1150及び1.1100にはそれぞれビッドが観測されている。

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