ドル円100割れ 5つの要因

Market Overview

2日の海外外為市場は、世界的な株安と原油先物相場の下落を背景に円高圧力が強まった。ドル円(USD/JPY)は、先月11日以来となる100円台へ突入(Low:100.68)。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。一方、ドル相場は直近の冴えない米指標データを受けドル安優勢の展開に。ユーロドル(EUR/USD)は「BREXITショック」以来となる1.12台を回復。テクニカル面で今年最高値1.1616を起点としたレジスタンスラインが視野に入ってきた。一方、ドルインデックスは95.50レベルを完全に下方ブレイク。5月3日安値91.91を起点としたサポートラインのトライが視野に入っている(チャート参照)。

他の市場動向だが、欧米株式は総崩れ状態に。欧州株式は財務の健全性が懸念されている金融セクターを中心に売り圧力が強まった一方、米国株式は冴えない指標データが続いていることが嫌気され消費関連株や景気敏感株が下落の牽引役となった。米国債券市場では、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りが小幅に低下した。また、原油先物相場(WTI9月限)は引き続き供給過剰懸念が意識され続落した(Close:39.51)。

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Analyst's view

1日に配信したレポート「ドル相場を左右する2つの材料」では、冴えない米指標データを背景とした「リスク回避のドル安」について指摘したが、現在、まさにその状況が発生している。今年3月以降、「ドル安=株高」トレンドを形成してきた。しかし、現在はそのトレンドすら崩れている状況(=リスク選好の先導役不在の状況)を考えるならば、外為市場で注視すべきは円高の加速だろう。特に心理的節目の100円を再トライするムードが高まっているドル円(USD/JPY)の動向を注視したい。「BREXITショック」時とは違い、今回の100円トライはファンダメンタルズー ①経常収支の急速な改善、②異次元緩和の限界、③米利上げペースの後退、④BREXITショックとその波及リスク、⑤原油先物相場の再下落― に基づいているからだ。①と②は円高要因、③はドル安要因である。今後注視すべきは、クロス円経由での円高圧力の高まりだろう。その要因として注視すべきは④と⑤。④とは、言い換えれば英欧の金融緩和強化が異次元緩和の優位性をさらに後退させる要因と捉えることが出来る。欧州勢の金融緩和強化は株高要因ではあるが、7月の動向を考えるならばそれは同時にドル高リスク(=株安・国際商品市況安リスク)を高める要因でもある。よって、英欧の金融緩和による株高効果は一時的と想定される。⑤は対円での資源国&新興国通貨売り圧力を強める要因となろう。新興国経済、特に中国経済が低迷する状況では資源価格(原油価格)が上昇しても、すぐに供給過剰懸念が意識され、結果株安圧力を強めるからだ。事実、現在は原油安が株安圧力を強める状況となり、且つ昨日の外為市場で資源国&新興国通貨は対ドルで堅調に推移した一方、対円では軒並み下落している。年後半は④が強く意識されよう。そのタイミングで⑤の状況が常態化すれば、クロス円経由でも円高圧力が強まることで、USD/JPYは100円割れの展開となろう。

また、今年に入り一度も一目/雲(日足)突破できず、且つ今年最高値121.69を起点としたレジスタンスラインに上値がレジストされる状況が継続している点も考えるならば、ファンダメンタルズの面だけでなく、テクニカルの面でもUSD/JPYは100円割れの可能性が高まっているといえる。


【ドルインデックス日足チャート】  

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【ドル円日足チャート】  

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