今週の焦点 まずはCPIとFOMC

11月の米平均時給は前年同月比で2.5%増の伸びとなった。今年4月~8月にかけての水準を回復したが、米長期金利は引き続き2.4%の水準を下回る状況が続いている。米金利が低空飛行状態となっている要因のひとつに根強い低インフレ懸念が挙げられる。今週は、実際のインフレ指標データと低インフレ状態に対するFEDの警戒レベルが、米ドル相場のトレンドを左右する可能性が高い。また、米国イベント以外で注視すべきはECB&BoEイベントとなろう。

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Analyst's view

FEDが注視するコアPCEは直近で前年同月比1.4%と、FEDが目標としている2.0%を下回る水準で推移し続けている。一方、コアCPIも同1.8%と低インフレ状態が継続中(チャート①)。今週13日に11月CPIが発表されるが、引き続きこの状態が確認されるならば、税制改革期待を背景とした現在の「米長期金利の反発→米ドル買い」圧力の相殺要因となろう。米長期金利の低空飛行と米ドル高の相殺要因としてもうひとつ注視すべき米国イベントは、FOMC(12~13日開催)だろう。12月の利上げは既に市場で織り込まれている。よって今回の焦点は、低インフレに対する警戒レベルにあろう。パウエル次期FRB議長は先月28日の上院公聴会で、「最近の弱いインフレ指標は驚きだった」と述べた上で、インフレの低迷が長引けば引き締めペースを減速させる可能性があるとも指摘し、インフレ重視のスタンスを表明した。今回のFOMCで低インフレに対する警戒レベルをさらに強めてくるならば、2018年の利上げペースに対する不透明感が米長期金利の上昇圧力を後退させよう。外為市場では米ドル売り優勢の局面が散見されよう。
今週のドル円は、114円トライが最大の焦点となろう。短期レジスタンスラインおよび日足雲の上限の突破にも成功し、テクニカル面では上値トライのムードが高まっている。問題は上述した米ドル安要因だろう。これらが意識され反落する場合、9月以降、サポート / レジスタンスとして意識される傾向にある日足転換線の維持が焦点となろう。

尚、米国以外で注視すべき材料は、ECB&BoEイベントとなろう。今回のECBイベントは、すでに10月の理事会で一定の方向性(=買い入れ規模を現行の600億ユーロから300億ユーロへ半減 / 量的緩和は来年9末まで継続)が示されたこともあり、外為市場の変動要因となる可能性は低い。一方、BoEイベントには注意が必要だろう。前回の金融政策委員会では政策金利を0.25%から0.50%に引き上げたが、インフレと労働市場の状況を巡りメンバーの間では見解の相違が見られた。BREXITの影響を考慮し将来の経済見通しについてあらためて慎重姿勢が示されるならば、利上げペースに対する期待はさらに後退しよう。この場合ポンドドルは、11月上旬以降から続くポンド高基調から一転、売り圧力が強まり、サポートラインを目指す可能性が高まろう。また、今週はBREXIT交渉に関する報道もポンド相場を大きく動かす要因として注視しておきたい。


【チャート①:米コアCPI

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ポンドドル】

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