下落圧力強まるドル円 原油&米株の動向を注視

Market Overview

22日の海外外為市場は、原油価格の反発を背景に資源&新興国通貨が対ドルで堅調に推移した。この日のNY原油先物7月限は、行き過ぎた下落の反動から反発。原油価格との相関性が特に高いカナダドルとロシアルーブルが対ドルで買われる展開となった。また、産油国であるメキシコの通貨ペソやブラジルのレアルも対ドルで底堅い展開となった。

一方、ドル円は111円前半で小動き。NYタイムに反発する局面が散見されたが、米金利の反発基調に一服感が漂い、且つ米株も主要3市場がそろって下落したことを受け、111円ミドルで上値がレジストされた。ユーロドルはユーロ高の調整地合いが続くも、1.11台を維持する状況が続いた。

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Analyst's view

22日のNY原油先物7月限は反発。ただ、終値が前日比0.21ドル高の1バレル=42.74ドルと小幅だった事実を考えるならば、プットオプションが集中している40ドルをトライする可能性は未だ残る。OPECの減産効果を打ち消している主因は、米国の生産増にある。本日は米石油サービス大手のベーカー・ヒューズが週間の米原油掘削装置(リグ)の稼働数を発表する予定となっている。過去2年間で最高水準となっている稼働数の増加傾向が続けば、供給過剰懸念を背景にNY原油先物7月限は反落する可能性があろう。その場合、警戒すべきポイントは2つ。ひとつは米金利の反応である。21日のレポート「米金利と原油先物相場」で指摘したとおり、2017年に入り米インフレ指標は低下基調を辿っている。それに連動し、米ドル相場との相関性が高い10年債利回りも低下基調にある。様々な要因が絡み合いインフレが低下していると考えられるが、根本的な要因は抑制された賃金の伸びにあろう。賃金が上昇しなければ、米国経済のエンジンである個人消費の拡大が見込めず、結果としてインフレ(期待)も上昇しないからだ。このような状況で原油価格が再び下値トライとなれば、インフレ鈍化懸念を背景に米金利への低下圧力が強まろう。それはドル相場の押し下げ要因となり、ドル円も下値トライが想定される(チャート①参照)。

もうひとつ注視すべきポイントは、米株への影響だろう。直近の米株は、原油安の影響を受けエネルギーセクターに売り圧力がかかりやすい状況となっている。そして金利の低下と金融政策の先行き不透明感を増すであろう「原油安/株安」は、金融セクターの下落要因としても作用する。これらセクターを中心に米株の調整が加速すれば、外為市場では円を買い戻す圧力が強まろう。現状、米ドル安のみの影響しか受けていないドル円だが、「株安=円高」の影響が合わされば下落幅が拡大しよう。通貨オプション市場ではプットオーバーが散見され、リスクリバーサル(1か月、25D)が低下基調へ転じ始めている。テクニカル面では、日足一目雲が強烈なレジスタンスとして意識されている。株式動向次第で三度の110円割れの可能性が高まろう。尚、本日は5月の新築住宅販売件数が発表される。内容次第で米株&米金利の変動要因として注視したい。


【チャート①:米インフレ動向、米長期金利、ドル円の比較チャート】

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【チャート②:ドル円チャート】

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