原油安リスク後退 目先はレンジ相場を想定

28日の海外外為市場は資源国通貨買い圧力が強まった。石油輸出国機構(OPEC)はこの日、臨時総会を開催。加盟14カ国の原油生産量を日量3250万~3300万バレルに制限することで合意に達した。これを受け原油相場は急伸し資源国通貨をサポートした。特に相関性が高いカナダドルやロシアルーブルは対ドルで急伸した。ただ、他のドルストレートは新規の材料に欠けることから売り買いが交錯。ユーロドルは1.12を挟んでのレンジ相場が継続した。ドル円は100円台で動意の薄い展開となった。

他の市場動向だが、欧米株式市場は経営不安がくすぶるドイツ銀行株の反発や原油相場をはじめとした国際商品市況の上昇を背景に総じて堅調に推移した。米債券市場は「株高+原油高」を背景に各ゾーンの利回りが上昇。ただ、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.75%台での低空飛行が継続した。

bg_oil_barrels_1104709

Analyst's view

筆者の予想に反し、石油輸出国機構(OPEC)はサウジアラビアの態度が予想外に軟化したことを受け、生産量の調整で合意に達した。ただ、WTI原油先物は目先のレジスタンスである48ドル台の到達には失敗。今後、このレベルや50ドル付近で上値のレジスト状態が続くようならば、それは①米シェールオイル企業による増産、②中国経済の低迷を反映した不透明な需要動向、③加盟各国の具体的な生産量が議論される11月のウィーン総会への警戒感が根強いことを意味する。ただ、今回の合意自体は原油安リスクの後退につながろう。また、タイミング良く米金融引締めリスク(=ドル高リスク)も後退している。これらリスク選好要因を反映し、ドイツ銀行の経営不安がくすぶる中でも欧米株のボラティリティ指数は低下傾向にある(比較チャート①参照)。目先、株式市場が大きく崩れる可能性は低いだろう。

円相場もレンジ相場(ドル円ならば100.00~102円前半のレンジ相場)の継続が想定される。ただ、気になるのはリスク選好局面で円安感応度が鈍っていることだろう。昨日は「株高+原油高」のリスク選好相場だったにもかかわらず、ユーロ円やポンド円は小陽線引け。国際商品市況との相関性が高い豪ドル円やカナダ円では大陽線が示現したものの、前者は日足一目雲を突破し切れずにいる。後者も9月中旬以降レジスタンスポイントとして意識さている77.50レベルを突破し切れずにいる。また、気になるのは国内株式の金融セクターが軒並み下落基調にあることだ(比較チャート②参照)。黒田日銀が新たに導入した金融緩和政策が金融セクターに配慮した内容だったにもかかわらず、そのセクターで下落圧力が強まっている事実は、為替市場だけでなく株式市場でも異次元緩和の限界が意識されている可能性を示唆している。とはいえ、「日銀相場」となっている国内株式がこのまま下落基調を辿る可能性は低い。よって、円相場は円高リスクを注視しながらも今月から来週の半ばにかけてはレンジ相場の継続を想定したい。ドル円のレンジは上記の通り。上限の102円前半は日足一目/雲の下限を想定している。一方、ユーロ円は112.00-114円前半(=日足一目/雲の下限)、ポンド円は130.00-133円ミドル(=日足一目/雲の下限)、豪ドル円は76.00-79.00のレンジ相場を各々想定したい。


【比較チャート①:米欧株ボラティリティ指数(1ヵ月)】

oil_0929


【比較チャート②:国内金融セクター】

oil_2-0929

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 一般的なチャート

    アナリストがどのようにチャートを使っているのかを学び、投資家の行動を勉強し市場パターンを理解しましょう。利用可能な様々なチャートの使い方を学習し、チャートが示す価格パターンを確認します。

  • リスクを管理する方法

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • 外国為替取引

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。