ドル高加速せず 焦点は米指標データに

Market Overview

12日の海外外為市場は、ドル安優勢の展開となった。米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事はこの日の講演で、利上げに対し慎重姿勢を表明。これを受け「9月利上げ」観測が後退。外為市場ではドル売り圧力が強まり、ドルインデックスは陰線引け。ドル円は101.56レベルまで下落した。

他の市場動向だが、欧州株式市場は軟調なアジア株式や米利上げへの警戒感を背景に下落。一方、米国株式市場はブレイナード発言を受け、堅調地合いに。ダウ平均は、7月8日以来およそ2カ月ぶりの大きな上昇幅(=前週末比239ドル62セント)となった。
原油先物相場(WTI10月限)は、ドル高リスクの後退と米オクラホマ州クッシングの原油在庫が減少するとの観測から反発。前週末比0.41ドル高の1バレル=46.29ドルで取引を終えた。
米金融政策の方向性を反映しやすい2年債利回りは0.80%でキャップされると、0.77%台まで低下した。

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Analyst's view

ハト派の代表格であるブレイナードFRB理事は利上げについて、「金融引き締めは慎重さが求められる」と発言。また、同じくハト派のタルーロ理事と同じく低インフレ状況を理由に、「予防的な利上げを迫られる状況ではない」とも指摘。ブレイナード発言により、ドル高リスクのさらなる増大は回避された。しかし、ドルインデックスは陰線引けにこそなったものの、5月3日安値91.91レベルを起点としたサポートラインは維持し続けている。また、独10年債利回りがBREXITショック以来となる0.058%まで急騰したにもかかわらず、ユーロドルのローソク足(日足)が市場の迷いを示唆する十字線となった点も考えるならば、ドル高リスクが完全に後退したわけではない。

目先、市場関係者の焦点は、15日以降に発表される米指標データに集中しよう。内容が総じて市場予想を下回るならば、素直にドル安で反応しよう。ドル安は株式市場と原油先物相場のポジティブ要因となる。よって、円相場はクロス円を中心とした円安優勢の展開が想定される。ドル円は、ドル安圧力をクロス円の上昇によりある程度相殺されるだろう。目先、下値の焦点は、7日以降ローソク足(日足)の実体ベースで相場をサポートしている21日MA(今日現在101.70前後)、ビッドが観測されている101.00と100.50レベル、そして標準誤差回帰分析バンドの中心線(今日現在100.30前後)を想定したい。

一方、米指標データが総じて市場予想を上回る展開となれば、米金融政策の不透明感が再び意識される可能性がある。この場合、米国株式市場では、イベントリスクを意識した調整売りが週後半から前半にかけて強まる可能性がある。外為市場はドル高優勢で推移しよう。最も注視すべきは円相場だろう。日銀の金融政策に対する不透明感が意識されているタイミングで、ドル高と米株安が同時に発生すれば、円高圧力が強まることが想定されるからだ。


【ドルインデックスチャート】青ライン:200日MA

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