強まるドル安圧力 株式動向を注視

Market Overview
6日の海外外為市場は、ドル安優勢の展開となった。米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数は51.4と、前月の55.5から急低下し、6年半ぶりの低水準となった。8月雇用統計に続く低調な内容となったことで米金利は急低下し、外為市場ではドル安圧力が強まった。ドル円は103.20台から101.93まで急落。ユーロドルは8月26日以来となるローソク足の実体ベースでの1.12台の突破に成功。そしてドルインデックスは、再びサポートラインを視野に入れる展開となった。

他の市場動向だが、米国株式は冴えない指標データによるファンダメンタルズの先行き懸念と米利上げリスクの後退観測が交錯するも、小幅に続伸した。原油先物相場(WTI10月限)は続伸。ドル安を背景に一時46ドル台を回復する局面が見られた。

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Analyst's view

筆者は、「ドル高リスクの後退→株高維持→円売り」を背景に目先は円高調整局面へのシフトを想定すべき、と指摘している。現状、「ドル高リスクの後退→株高維持」までは想定通り。しかし、昨日はドル円の下落幅(=対円でのドル安圧力)が他のドルストレートでのドル安圧力を総じて上回ったことで、むしろ円高優勢の展開となった。ただ、上述のとおりドル高リスクの後退を背景にグローバル株式市場が崩れるムードは感じらない。円高に振れても国内株式は「官制相場(=日銀買い)」により上値トライのムードが強まり(=日経平均は1万7千円のレジスタンスおよび200日MAの突破に成功し)、目先もこの状況が継続する可能性が高いことは6日のレポート「『株高→円安→円高調整』を想定」で指摘済み。また、外為市場では2日の米雇用統計後より資源国や新興国通貨が対ドルで堅調に推移中。さらに原油先物相場をはじめとした国際商品市況(CRB指数)にも下げ止まり感が出ている。各市場における投資家のリスクセンチメントに急速な悪化が見られない以上、リスク回避を背景とした円高圧力が高まる可能性も低く、目先は「ドル高リスクの後退→株高維持→円売り」を背景とした円高調整シナリオを意識したい。

ドル円に期待出来ない以上、円安のドライバーはクロス円となろう。その中でもドル安の恩恵を最も受けやすいのが、欧州通貨だろう。事実、昨日のユーロドルはドル安を背景に89日MAと21日MAを大陽線で一気に上方ブレイクした。ポンドドルもBREXITショック以降、レジスタンスの上限として意識されている1.3500を視野に上昇基調を維持している。株高維持のタイミングでこれら欧州通貨が対ドルでさらに上値トライとなれば(=ドル安が加速すれば)、ユーロ円やポンド円も堅調に推移しよう。また、ドル安は国際商品市況のサポート要因にもなることから、資源国通貨も対円で堅調地合いとなることが想定される。円高調整地合いとなった場合、ドル円、ユーロ円そしてポンド円は、一目/雲の攻防が上値の焦点となろう。

上記のシナリオとは逆に円高圧力が再び強まるならば、それは株式市場の下落に起因しよう。株式下落の要因として目先注視すべきは、日銀緩和の期待後退とドル高リスクの再燃だろう。後者のきっかけとして注視すべきは、本日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)および米連邦公開市場委員会(FOMC)前のFEDスピーカー発言だろう。


【ドル円チャート】

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【ユーロ円チャート】

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