米利上げ時期読めず 目先は株式動向を注視

アナリストの視点-不透明感増す米国の9月利上げ

 

トレーダー

19日のNY外為市場は、ドル売り優勢の展開となった。この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7月28-29日開催分)では、9月利上げに関するシグナルを読み取ることができなかった。当然のごとく利上げ期待は後退。米金利には低下圧力が強まり、外為市場ではドル安優勢の展開なった。EUR/USDは世界的な株安も合わさり、1.11台を回復(高値1.1134)。USD/JPYは12日以来となる123円台へと反落した(安値123.69)。オセアニア時間ではドルを買い戻す動きが散見されるも目立った値動きは見られず、本日の東京時間を迎えている。

FOMC議事録では利上げスタンスを維持したものの、そのネックとなっているのが低インフレであることがあらためて確認された。また、中国経済の動向に対する警戒度合が増している節もうかがえることから、今後は米国内の指標データだけでなく、海外動向(特に中国動向)もイエレンFRBの金融政策に影響を及ぼす可能性が出てきた点は、米利上げ時期をさらに読み難くしよう。

今後注視すべきはグローバル株式の動向だろう。海外(特に中国)の景気減速がさらに加速すれば世界的な株安連鎖の状況が頻発し、対ユーロでドル安が加速する可能性が高まるからだ。また、世界的な株安と原油価格のさらなる低迷が合わされば、米10年債利回りにもさらに低下圧力が強まろう。景気動向に敏感な米10年債利回りが低下しつづければ、インフレ期待の後退を背景に年内の利上げに対する不透明感が強く意識されよう。結果として、米2年債利回りにも再び低下圧力が強まろう。事実、昨日の米2年債利回りは0.70%台を再び下方ブレイクする展開となった。この状況(=米2年債利回りの低下)が継続すれば、USD/JPYは下記「Technical analysis highlights」で指摘しているサポートポイントを目指す展開が想定される。

本日の焦点-グローバル株式動向

本日の外為市場のトレンドを見極める上で重要なファクターとなるのは、グローバル株式の動向のだろう。イエレンFRBによる9月利上げへの不透明感が強まる中、世界的な株安の連鎖が継続すれば、安全資産(米国債)への資金シフトが加速することでドル相場は軟調地合いとなろう。特EUR/USDの動向には要注意。昨日は、原油価格の低迷と9月利上げ観測後退が合わさることで、米金利(10年債利回り)の低下幅は独金利以上となった。さらに上述した株安連鎖を背景に米独金利スプレッドが縮小すれば、EUR/USDは再び1.12台へ上昇する可能性があろう。
一方、USD/JPYは「株安/ 米金利低下」を背景に7月27日以来となる123.00トライの展開が想定される。両通貨ペアはテクニカル面でもドル安シグナルが点灯している。詳細は下記「Technical analysis highlights」を参照されたい。

また、米指標データ、特に良好な内容に対する米国株式の反応も引き続き外為市場のトレンドを見極める重要ファクターとなろう。日本時間21時30分の新規失業保険申請件数、そして23時のフィラデルフィア連銀製造業景気指(8月)及び中古住宅販売件数(7月)の内容と米国株式の反応を注視したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.00:レジスタンスポイント 124.49:一目/転換線(黄ライン)
サポート 123.16:ボリンジャー下限(MA21 / σ2.5) 123.00:サポートポイント

一目/転換線(黄ライン)がサポートラインからレジスタンスラインへと転換。RSIも売り買い分水嶺の50.00を下回ってきたことで、ダウンサイドリスクが高まってきた。目先の下値焦点は、ビッドが観測されている123.50レベルでの攻防だが、テクニカル面で注視すべきはボリンジャー下限(MA21 / σ2.5)の維持だろう。このテクニカルをも下方ブレイクする展開となれば、123.00トライの展開を想定したい。123.00にもビッドが観測されている。
一方、上値の焦点は転換線の突破にあろう。このラインが推移している124.50にはオファーの観測あり。125.00手前もオファーゾーンとなっている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1200:レジスタンスポイント 1.182:ボリンジャー上限(MA21 / σ2.0)
サポート 1.1078:10日MA(赤ライン) 1.1023:21日MA(青ライン)

21日MA(=ボリンジャー中心線)の維持に成功。RSIも売り買い分水嶺の50.00以上を回復。1.12台再上昇の可能性が浮上してきたが、それを達成するためにはボリンジャー上限(MA21 / σ2.0)を突破する必要があろう。また、この上限が推移する上の水準(1.1190)及び1.1200には厚いオファーが観測されており、1.12前後はユーロ反落ポイントとなる可能性がある。
一方、下値の焦点は10日MAの維持が焦点となろう。ただ、このラインを下方ブレイクしても21日MAが破られない限り、ボリンジャー上限をトライする状況が継続しよう。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 外国為替市場

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。

  • マーケット注文(ロット優先)

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。
     

  • 株価

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。