乱高下の外為市場 より注視すべきは資源国通貨の動向

アナリストの視点 -乱高下の外為市場

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7日の海外外為市場は乱高下の展開となった。不透明感増すギリシャ情勢を背景にユーロ相場は上下に大きく振れる展開に。EUR/USDは、欧州タイムに重要サポートポイント1.0965レベルを一時下方ブレイクする局面が見られた。ただNYタイムには、12日のユーロ圏(EU)首脳会議でギリシャ問題が進展するとの期待感から急反発。安値1.0916レベルから高値1.1052レベルまで急騰する展開となった。EUR/JPYはEUR/USDの動きに連動する展開となり、安値133.51を付けた後、NYタイム終盤に135円ミドル手前まで急反発した。

一方、軟調地合いの中国株式と原油価格の動向を受け資源国通貨は総じて不安定な状況が継続。AUD/USDは2009年5月以来となる0.74割れの展開に。一方、USD/CADは今年3月以来となる1.27台へ再上昇する展開となった。これらドルストレートの動向に追随し、AUD/JPYは欧州タイムに91円割れ後、NYタイムに91円ミドルレベルまで反発。CAD/JPYは4月15日以来となる95.60レベルまで急落後96.60台まで約1円近く急反発する等、不安定な値動きとなった。

各種リスク(ギリシャリスク・中国株安リスク・原油急落リスク)を背景に債券市場への資金シフトが加速している。昨日の動向で筆者の興味を惹いたのは、独10年債利回りが6月3日以降維持していた0.70%台を一気に下方ブレイクしたことだろう。米10年債のそれも同時に低下傾向にあるが、米独利回りスプレッドは再び拡大傾向にある。12日に開催されるEU首脳会談に向けギリシャ情勢に関するネガティブな情報(ギリシャ側による新たな緊縮案提出の度重なる先送り/その緊縮案にEU側が難色を示す等)が流れれば、独10年債利回りは次のチャートポイントである0.50%レベルを目指す可能性がある。そのような展開となれば、米独利回りスプレッドの拡大を背景にEUR/USDは短期的に5月27日安値1.0819レベルに向け下げ幅を拡大する展開も想定される。

だが、イタリアとスペインの10年債利回りは引き続き2.5%以下で安定的に推移し、現時点で「南欧波及リスク」は見られない。このリスクが台頭しない限り、1.08レベルは維持すると想定している。また、本日公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月16-18日開催分)で年内利上げ観測を後退させる議論が行われていることが判明し、またFEDスピーカーが直近の米経済や世界経済の動向を考えハト派的な総じてスタンスを示すならば、ドル売り圧力がユーロ売り圧力を相殺することで、ギリシャリスクに直面しながらもEUR/USDは意外と底堅さを保つ可能性があろう。

本日の焦点-資源国通貨の動向を注視

現在の外為市場で筆者が注目しているのは、ユーロ相場以上に資源国通貨の動向だ。実際、AUD・NZD・CAD・ NOKといった資源国通貨は今年4月以降、対ユーロで総じて軟調地合いとなっている(下チャート参照)。特に7月に入って以降は、ギリシャ情勢が緊迫化する中においてもその傾向(資源国通貨売り)に拍車がかかっている。これが意味するところは、現在のマーケットは、ギリシャリスク以上に中国リスクの方を重要視していることだろう。中国当局による株価下支え政策にもかかわらず上海株式市場は、月初よりすでに13%近く下落している。本日もこの状況に歯止めがかからなければ、商品相場(原油先物・銅先物・鉄鉱石)も引き続き軟調地合いが想定され、資源国通貨は若干の買い戻しが入ってもすぐに下値を模索する展開となろう。

また、本日のFOMC議事録の内容やウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演で米早期利上げ観測が高まるようならば、こちらも資源国通貨売り圧力を強めよう。中国リスクや米早期利上げ懸念が台頭すれば、AUD/USDは2011年7月高値1.1080レベルからの76.40%戻し0.7200レベル、USD/CADは2009年3月高値1.3064レベルを視野に資源国通貨売りが加速する可能性が高まろう。



Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.14:21日MA(赤ライン) 122.92:10日MA(青ライン)
サポート 121.50:サポートポイント 121.28:89日MA(緑ライン)

上値が徐々に切り下がっている状況を考えるならば、引き続き121円台への下落リスクを想定したい。上下のチャートポイントは上記の通り。直近のオーダー状況だが123.00、123.20、123.50にはオファーが観測されている。一方、ビッドは122.00、121.50及び121.00にそれぞれ観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1198:21日MA(赤ライン) 1.1103:10日MA(青ライン)
サポート 1.0916:7月7日安値 1.0819:5月27日安値

昨日は、一時的にせよ重要サポートポイント(リトレースメント76.40%)1.0965レベルを下方ブレイク。RSIも売り買い分水嶺の50.00を完全に下回っていることを考えるならば、目先はダウンサイドリスクを警戒したい。上下のチャートポイントは上記の通り。1.1100及び1.1200にそれぞれオファーが観測されている点も考えるならば、上記の両MAのどちらかで上値がレジストされる可能性があろう。

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