米金利の上昇にドル円が追随出来ない要因

Market Summary

18日の海外外為市場は、米ドル安優勢の展開となった。この日の米長期金利は2.60%台の水準へと上昇。しかし、米国株式は原油安、暫定連邦予算への懸念そして利益確定売りに圧され主要3指数がそろって下落。株安は米金利上昇のインパクトを相殺し、外為市場では円を買い戻す局面が散見された。ドル円は111.00を挟んで売り買いが交錯。クロス円では、高値警戒感が強まっているユーロ円や原油安の影響を受けたカナダ円で下落幅が拡大する局面が見られた。一方、ユーロドルはドイツ(独)長期金利が再び0.60%台の水準を視野に上昇したことを受け、1.2265レベルまで反発。その後も1.22台の水準を堅持した。
NY原油先物2月限は、米原油在庫の減少とナイジェリアの増産が意識され動意の薄い展開に。前日比0.02ドル安の1バレル=63.95ドルと小反落して終了。一方、NY金先物2 月限は連日の上昇に対する警戒感から利益確定売り優勢の展開となり、前日比12.0ドル安の1トロイオンス=1327.2と反落した。

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Market Analysis

18日の米国債券市場で10年債利回りは2.60%台の水準へ上昇した。注視すべきは、この動向にドル円が追随できないという事実だ。この点をチャート①で確認すると、日米利回り格差はトランプ政権発足後で最大となっている。しかしドル円の上値は抑制され、2017年をとおして一貫していた米長期金利との順相関が、現在は崩れていることがわかる。株高だけでなく米長期金利の上昇にも追随出来ないとなれば、米ドル相場特有の売り要因が影響していると考えるしかない。その要因として最も注視すべきは、世界的に金利の上昇圧力が強まっている状況だろう。特に独長期金利の上昇トレンドが、ドル円の上値を抑制する要因として作用している可能性がある。
独10年債利回りを確認すると、昨年7月中旬以来となる0.60%台の水準を視野に上昇トレンドを維持している(チャート②参照)。昨年12月以降から反発圧力が強まっているが、この根底にあるのは、ユーロ圏の堅調なファンダメンタルズとECBの量的緩和解除に対する思惑である。2018年も世界経済が堅調に推移する可能性が高いことから、ユーロ圏のファンダメンタルズ改善は続く可能性が高い。よって、ECBの量的緩和解除も時を経るごとに強く意識されよう。そして独長期金利は、昨年7月12日の0.643%を突破した後も上昇トレンドを描く可能性がある。この状況が維持されるならば、対ユーロで米ドル安トレンドが継続しよう。堅調な世界経済のファンダメンタルズに持続的な米ドル安が加われば、国際商品市況のサポート要因となろう。外為市場では、ユーロだけでなく資源国通貨や資源と関連の深い新興国通貨が対ドルで堅調に推移しよう。結果、対円でも米ドル安圧力が波及することで米長期金利の上昇に追随出来ない状況が継続する展開を意識したい。逆にユーロ高を是正する動きが強まれば、米ドル安圧力が後退することでドル円は「株高 /米金利上昇」に追随する状況へ転じよう。よって、現在のドル円のトレンドを見極める上で最も重要な要因は、独長期金利とユーロドルの動向であると筆者は考えている。


【チャート①:日米利回り格差とドル円】

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【チャート②:ドイツ10年債利回り】

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