株高調整地合い継続ならドル円は下値トライを警戒

Market Overview

21日の海外外為市場は、米ドル安の展開となった。米政治リスクと北東アジアの地政学リスクが意識され、この日の米10年債利回りは低下。この動きを受け外為市場では米ドル売り圧力が強まり、ユーロドルは高値1.1828まで反発した。対ドルでのユーロ高はユーロクロスにも波及し、ユーロ円は日足雲の上限にサポートされると、128.79まで上昇する局面が見られた。一方、ユーロポンドも続伸し、レジスタンスポイントの0.9150突破に成功した。
欧米株式は強弱まちまちの展開に。主要な欧州株は、北東アジアの地政学リスクが意識され総じて下落。一方、米株はダウ平均とS&P500が上昇する展開に。だが、ハイテクセクターの売りが上値を抑制した。NY原油先物9月限は、エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計を控え持ち高調整の展開に。前週末比1.14ドル安の1バレル=47.37と反落して終了。NY金先物12 月限は米ドル安が好感され反発。前週末比5.1ドル高の1トロイオンス=1296.7で終えた。

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Analyst's view

週明けの欧米株式は、米韓合同軍事演習とそれに対する北朝鮮の動向や迷走状態のトランプ政権という2つの政治リスクが意識され、強弱まちまちの展開となった。欧米株のボラティリティ指数を確認すると、直近のVIXは低下基調にあり、VSTOXXは20ポイント以下の水準で上下に振れているだけである(チャート①参照)。現在の政治リスクは、株安要因というよりも、これまで進行し続けてきた株高の調整要因として作用している。

だが、政治リスクを背景に世界的な株高の調整地合いが続くならば、ドル円は下値トライの展開となるだろう。①2017年に入り鮮明となっているインフレの鈍化、②米利上げペースに対する不透明感の高まり、③迷走するトランプ政権が意識され、米10年債利回りは低空飛行が常態化している。この状態化は、ドル円に対し常に米ドル安圧力がかかり続けることを意味している。米ドル安圧力の相殺要因として期待されるのが株高トレンドの維持だが、それが一時的にせよ崩れるならば、「米金利の低下=米ドル安」プラス「株高調整=円買い」のダブルパンチにより、重要サポートポイント108.00トライの可能性が一気に高まろう。108.50、108.40、108.20そして108.00にはそれぞれビッドの観測あり。
米ドル安圧力のバロメーターとして、ユーロドルの動向も注視したい。21日は、特段のユーロ買い材料もなく、米ドル安主体で短期サポートラインの上方ブレイクに成功した。本日、オプションバリアの攻防が想定される1.1850をも上方ブレイクするならば、米ドル安のさらなる加速シグナルと市場で捉えられ、1.19を再トライする展開が想定される。


【チャート①:米欧株のボラティリティ】

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【チャート②:ドル円チャート】

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【チャート③:ユーロドルチャート】

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