米国外の要因で反発基調を強める米金利

Market Overview

28日の海外外為市場は、欧州通貨買い優勢の展開となった。カーニーBOE総裁が近い将来の緩和解除と利上げについて示唆したことを受け、ポンドが対ドルで急伸。高値1.2972レベルと重要レジスタンスポイント1.30レベルを再び視野に入れる展開となった。ユーロはポンドの上昇にサポートされた。対ドルでは1.13台を堅持し、高値1.1391レベルまでユーロ高が進行した。
一方、円相場は円安優勢の展開に。この日のグローバル株式は堅調に推移。また、NY原油先物8月限も米国の原油生産とガソリン在庫の減少が好感され、5日続伸の展開となった。これらリスク選好要因に加え、上述した欧州通貨買いも合わさり、クロス円が上昇。円売りは米ドル売り圧力の相殺要因となったことで、ドル円は112円台を維持する展開となった。

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Analyst's view

ドル円は、3日連続で陽線が示現。日足雲では三役好転となり、さらなる上値トライのムードが強まってきた。だが、現在の外為市場を俯瞰すると、むしろ米ドル安圧力が強まっている。事実、米ドル相場の方向性を示すドルインデックスは95.96レベルと、昨年の米大統領選挙時に付けた安値水準まで急低下中。今年2回の利上げを受けて尚、米ドル安が進行している主因は、米ドル相場との相関性が高まっている米10年債利回りの低空飛行状態にある。
だが、その10年債利回りは、27日のドラギ発言以降反発基調を強めている。昨日は2.258%と、先月25日以来の水準まで上昇した。注視すべきはその背景だろう。インフレをはじめとした良好な米指標データを土台に金利が上昇するのが基本セオリー。だが、今回の反発は米国外の動向が大きく影響している。それは、ECBとBOEが近い将来、金融緩和政策から脱却することに対する期待である。これら中銀が今後も金融緩和からの脱却姿勢を示すならば、米国債券市場への資金シフトが徐々に減少しよう。何故なら現在の世界の債券市場は異常な緩和政策により、相対的に少しでも利回りの高い米債を買うトレンドが形成されているからだ。だが、そのトレンドが形成されるのはまだ先の話である。現時点で欧州金融政策に対する思惑は、米債券ロングの調整材料として使われているに過ぎない。ただ、調整であっても米金利の上昇はドル円相場のサポート要因となろう。チャート①を確認すると、ドル円と米10年債利回りとのかい離が急速に縮小している。欧州金融政策に対する思惑が反発のきっかけとなったが、FOMC後の株高トレンドに追随出来なかった事実を考えるならば、その持続性(=反発基調の維持)はやはり米指標データ次第となろう。今日明日と重要指標データが順次発表される。内容次第で米金利のトレンドを左右しよう。
ドル円の上値焦点は、今年最高値118.60レベルを起点としたレジスタンスラインの突破となろう。今日現在112.75レベルで推移している。下値の焦点は、111.80前後で推移している日足雲の上限の維持となろう。一方、上昇基調が強まっているユーロドルの次なる攻防分岐は、昨年6月23日高値1.1428レベルの突破が焦点となろう。


【チャート①:ドル円と米10年債利回りの比較チャート】

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【チャート②:ドル円チャート】

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